「補充捜査」巡り懸念も 検察庁廃止で女性団体―韓国
取材に応じる「韓国女性の電話」の宋蘭姫・常任代表=9月30日、ソウル
【ソウル時事】韓国で2日、検察庁が廃止され経済犯罪などを捜査する重大犯罪捜査庁と起訴や公判維持を担う公訴庁が発足する。これに伴い、検察に認められていた補充捜査権は原則廃止。警察の捜査を補う機能が失われることに、被害者の支援団体からは懸念の声が上がっている。
性暴力やDV(家庭内暴力)などの被害者支援団体「韓国女性の電話」の宋蘭姫・常任代表は「女性暴力の捜査では、警察であれ検察であれ、担当する捜査官の力量に左右される部分が大きかった」と指摘する。
従来は警察の捜査が不十分でも、検察の補充捜査に期待できたが、今後それができない。宋氏は「警察の捜査能力がまだ追い付いていない」と不安を口にする。
検察廃止に向けて制度設計が進む中、5月に南西部・光州で起きた女子高生殺害事件は世論に警察の捜査への不信感を植え付けた。現役警察幹部だった被告の父親による証拠隠滅が検察の捜査で明らかになり、検察は一般殺人より重い強姦(ごうかん)目的の殺人罪で起訴。法曹界などで補充捜査の必要性を訴える声が高まった。
こうした背景から、性暴力やDV、児童虐待など「社会的弱者」に対する7種の犯罪については、警察が勝手に事件を終結させることを防ぐため、公訴庁に全件送致するよう義務化。また、重大犯罪捜査庁が7種に限って補充捜査を担当できる制度も整えられた。
ただ宋氏は、警察と検察が対立してきた従来のような状態では、起訴や有罪判決に向けた協力が可能なのか疑問だと語る。制度変更後の捜査の過程が「どうなるのか、具体的に見えない」と懸念を示している。
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