「ナイフと同じように刃物が往復運動する鉛筆削り」を自作した猛者が登場

Chronova Engineeringのマイク氏は子どもの頃、ナイフで鉛筆を削るのが好きだったとのこと。
ナイフで鉛筆を削るのは単に楽しいだけでなく、マイク氏が理想だと思う形に鉛筆を削れるという実用的なメリットもありました。
通常の鉛筆削りでは、鉛筆の木目に対して垂直に削ります。そのため、歯が鋭くないと木材が割れてしまいやすいというデメリットがあります。
また、マイク氏は鉛筆の先が円錐形になるのではなく、先端になるにつれて細まった形状が好ましいと考えています。
これによって芯先の強度は多少低下するものの、同じ長さであればより長くとがった形状を維持できるほか、書く時に鉛筆先端の視認性が向上するとのこと。
そこでマイク氏は、ナイフで削る時と同様に刃物を往復運動させる方式の鉛筆削りを作ろうと思い立ちました。
マイク氏はさっそく刃物を鉛筆の先端に沿ってガイドする部品を製作。
専用の刃物も自作しました。
往復運動方式の鉛筆削りを作る場合、刃物の角度が重要になります。鉛筆をナイフで削る場合、最初のうちは比較的急な角度で刃物を入れつつ、先の方になるにつれて角度を浅くするのが理想的です。
マイク氏は刃物の突出量を制御することで、刃物がガイドプレートに沿って正しい角度で往復運動する仕組みを考案。
マイク氏の指の肉を犠牲にしたテストでも、うまく動作することが確認されました。
鉛筆削りには鉛筆をしっかり固定し、鉛筆本体やハンドルを回すだけで回転させる機構も必要です。
マイク氏は刃物の往復運動に合わせて少しずつ鉛筆を回す方法として、連続回転の運動を断続回転に変換するジェネバ機構を採用しました。
ジェネバ機構では以下のように、青いホイールをある程度回すと出っ張りがオレンジ色の歯車に引っかかり、歯車が少しだけ回転します。
垂直方向に回転を伝達するジェネバ機構はこんな感じ。
しかし、往復運動方式の鉛筆削りにジェネバ機構をそのまま適用するとハンドルの軸と鉛筆の芯が干渉してしまうため、両者を同じ平面に配置することはできません。
そこでマイク氏はジェネバ機構を改良し、ハンドルと鉛筆の芯が干渉しない方式を考え出しました。以下の3D図面が今回マイク氏が考案した方式。ハンドルは青色のホイール(インデックスホイール)に固定されています。
インデックスホイールはオレンジ色の歯車(ランタンピニオン)に連結させており、連続回転を断続回転に変換します。
鉛筆を固定する部品を取り除くとこんな感じ。互いに垂直になったインデックスホイールとランタンピニオンが定期的にかみ合い、インデックスホイールが1回転するとランタンピニオンが2目盛り分だけ回る仕組みです。
複雑な部品の掘削や穴開けには、マイク氏の妻が作成したArduioベースの制御ユニットを使用。
必要な部品を作っていきます。
部品を組み立てつつ、問題があったら調整を行います。
完成した往復運動方式の鉛筆削りがこんな感じ。
本体を手のひらで保持するための部品や、削りかす入れもあります。
使用するには、まず背部から鉛筆をセットして固定します。
右側のハンドルを回すと刃物が往復運動を始め、鉛筆を削ることが可能です。
鉛筆先端の形状は刃物の形状や面取りによって大きく変化するとのこと。最適な調整を施して削った鉛筆がこれ。
文字を書く様子はこんな感じ。
なお、新品の平らな鉛筆からとがった鉛筆にするまで約30秒ほどかかるそうで、10秒ほどで削り終わる通常の鉛筆削りと比べるとかなり時間がかかるとのことです。
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