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Monday, October 5, 2026

[ITmedia News] 巨大化を指南!? AI活用で身近になる植物栽培 健康や仕事に「緑の効用」の識者に聞く

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産経新聞

 人はなぜ、もの言わぬ植物に愛着を持つのか? 近年は栽培方法がスマートフォンの人工知能(AI)機能で簡単にわかり、より身近になった。実は記者は、自宅ベランダに運ばれてきて芽吹いた種をAIの指南で育成。3年目のこの夏、自分の身長を超えるほどに巨大化し、植物の力に驚いている1人だ。緑が人の健康に与える影響を研究する千葉大大学院園芸学研究院の岩崎寛(ゆたか)教授(58)に話を聞き、東京都が進める緑活用のトレンドも取材した。

都会で近場の「公園浴」提唱

 9月21日。台風25号に備え、ベランダのナンキンハゼを室内に移動させた。最初、プランターに現れた芽を見つけたときは10センチ足らずだったが、今は床から170センチを超え、大きく重たい。AIのアドバイスで今年6月に大きな鉢に植え替えてから、ひと夏で1メートル以上も伸びた。狭いマンションには不釣り合いな大きさとなったが、処分はできない。インテリアではなく命だから。

台風25号に備えて窓にテープを貼り、AI指南で巨大化したナンキンハゼを部屋に入れた(重松明子撮影)

 「植物が人に与えてくれるものは将来への希望。成長し変化する楽しみが世話をする継続意欲につながり、心身の回復、園芸療法としてリハビリテーションにも活用されている。みんなが先の見えない不安を感じていた新型コロナウイルス禍で、園芸ブームが起きたのも同じ流れです」

 そう話す岩崎教授は、距離と時間的負担の大きな「森林浴」に対して、近場の「公園浴」を提唱している。「植物を見る、触れる、においを嗅ぐといった行為によりさまざまな生体反応が現れます」。岩崎教授の研究では、芝生上で5分間休憩することにより、ストレスホルモンが低下し副交感神経が優位になるリラックス効果を確認。血圧が高い人は下がり、低い人は上がる改善効果も得られ「植物には、一方向だけに働く薬にはない、正常値への調整力がある」。植物の有効性の研究と考察を、2023年発行の著書「みどりの処方箋 ヒーリング時代の緑の使い方」(グリーン情報)にまとめている。

植物が人間の心身や社会に与える効果を研究する、千葉大大学院の岩崎寛教授(重松明子撮影)

 人類存亡のリスクが議論されているAIだが、園芸相談の相手としては、「植物に関心を持つきっかけになるなら全然いい」。記者のナンキンハゼ栽培も、芽の写真を撮って「これなんですか?」と聞いたところから始まった。岩崎教授は「昔は大きな図鑑を持って歩かなくちゃならなかった。私だって使いますよ」。大きくなりすぎたのはAIに依存したせいか? 「AIは植物の成長を優先して助言したのだと思いますが、小さい鉢のままなら根が大きくならず、背丈も高くならなかった」。わかりやすい理屈だ。従来の鉢では窮屈に思えたのだが……。「木を高くしたくなければ上を切ればいい。残った葉が元気に育ちます。枝切りはかわいそうな行為ではなくて管理。世話をすることによってさらに愛着がわきます」

 岩崎教授は東京都が企業と連携する植物との共生・活用プロジェクト「東京グリーンビズ」イベント監修者でもある。10月7日、足元に森を再現した高層ビル、大手町タワー(東京都千代田区)で、植物空間での仮眠体験などを提供する。その効果検証とともに、育てやすいテーブルサイズの観葉植物の苗木配布を行う。

 「地方出身の私は、上京して大都会東京の緑の豊かさに驚いた」とは、都のプロジェクト推進担当の屋敷和也課長(42)。「街路樹や公園の多さだけでなく、狭さを工夫して長屋の軒先で鉢物を育て交流する江戸時代からの園芸文化が、東京には連綿と根付いている。苗木配布は100年先の未来を見据えた現代版。机の上に置いて集中力アップやコミュニケーションの円滑化に役立ててほしい」

「東京グリーンビズ」で配布している苗木。ミリオンバンブー、サンスベリアなどデスク上でも育てやすい(重松明子撮影)

 都内約40カ所の緑スポットを訪ね歩く東京グリーンビズ・クエストも実施中で、スマホ登録してアンケートに答えると苗木が無料で贈られるなど、さまざまな関連情報を公式インスタグラムでも発信している。

 冬に向かって紅葉し、葉を落としてまた芽吹く。巡る季節を味わうだけで幸せを感じていたが、なんと再び新たなナンキンハゼが我が家のプランターで発芽していた。今度は小さく盆栽として育てよう。(重松明子)

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