AndroidにSMSを送りつけるだけで通話を切断できる脆弱性が判明、緊急通報にも影響
Androidスマートフォンで特殊なSMSを受信するだけで通話機能が停止する脆弱(ぜいじゃく)性「SMS of Death」が報告されました。攻撃にはユーザーの操作が一切必要なく、通話中の電話が切断されるほか、繰り返し攻撃を受けるとスマートフォンが正常に使えなくなる恐れもあるとのことです。
SMS of Death: zero-click Android telephony DoS
https://smsofdeath.com/
SMSは電話番号を使って短いメッセージを送受信する仕組みで、一般的なテキストメッセージのほかに通信事業者やシステムが情報を届けるためにも使われています。Androidには「WAP Push」と呼ばれる特殊なSMSを処理する機能があり、受信したデータを自動的に読み取る仕組みになっています。
WAP Pushはユーザーの操作を必要としないため、受信したデータを安全に処理することが重要です。しかし、セキュリティ研究者のマーク・ブラシュチク氏はWAP Pushの処理に問題があり、細工されたSMSによってAndroidの通話機能を停止させられることを発見しました。
ブラシュチク氏によると、Androidの「WapPushOverSms」という処理に問題があるとのこと。AndroidはWAP Pushを受信するとデータの長さを読み取り、必要なメモリを確保します。しかし、データの長さを数値として変換する際の確認が不十分なため、特定の値を受け取ると不正な大きさのメモリを確保しようとしてエラーが発生します。
エラーによって「com.android.phone」という通話関連のシステム処理が異常終了し、通話やモバイル通信が一時的に利用できなくなるというわけです。攻撃に使われるSMSは通常のメッセージアプリに表示されず、送信者の電話番号も確認できないため、ユーザーが攻撃に気付くことは困難とされています。
細工されたSMSを1通受信するだけで通話機能が約1~2秒間停止し、通話中だった場合は電話が切断されるとのこと。緊急通報も影響を受ける可能性があり、通信事業者が未処理のSMSを再送する仕組みによって障害が繰り返されることもある模様。実験では1通のSMSが原因で断続的な通信障害が最大1週間続いたと報告されています。
さらに、約20通のSMSを送り込むとスマートフォンが長時間利用できなくなる場合があり、不正なSMSが受信待ちの状態で残ると再起動後も異常終了が繰り返されるとのこと。ブラシュチク氏はGoogle Pixel 9や複数のSamsung Galaxyシリーズで検証を行い、テストした端末では問題を再現できたとしています。
ブラシュチク氏は2026年5月5日にGoogleへ問題を報告しました。Androidの公開ソースコードには同年6月15日付で異常終了を防ぐ修正が記録されており、2026年10月のセキュリティ更新に組み込まれたとのことです。
修正ではWAP Pushの解析中にエラーが発生しても通話関連のシステム処理が停止しないようにするとともに、問題の原因となったSMSの記録を削除する処理が追加されました。
Android 14~17では2026年10月のセキュリティ更新で問題が修正されていますが、更新の配信時期は端末のメーカーによって異なるため、利用者はセキュリティパッチの適用状況を確認する必要があるとのことです。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.




