〈中国AI半導体特需〉工作機械活況でシチズンマシナリーが直面する「利益率伸び悩み」の実態、日米欧市場に託す現実解 | ビジネス | 東洋経済オンライン

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長野県佐久平駅から車で約15分――。木々に囲まれた道路が開けると、「CITIZEN」のロゴが書かれた建物が現れる。浅間山を望む広大な敷地内に、工作機械メーカーのシチズンマシナリーは軽井沢工場を構える。工場内には新しい工作機械が所狭しと並び、出荷されるのを待っていた。
シチズン時計の100%子会社であるシチズンマシナリーは、時計の心臓部であるムーブメント部品に使われるネジや歯車などの金属部品加工のため、1936年に工作機械を内製化したのが始まりだ。61年からは外販を始め、現在ではシチズン時計のグループ売上高の約25%を占める。細長い微細部品の加工に不可欠な「自動旋盤」の分野において、ツガミ、スター精密と並び、世界三大メーカーの一角を担っている。

軽井沢工場では小型の工作機械が生産されている(写真:編集部撮影)
直近の26年度第1四半期(4~6月期)の受注台数は、前年同期比で約2.5倍となった。旺盛な需要を受けて、26年度通期の売上高を期初計画の950億円から1040億円へ上方修正した。中期経営計画で掲げた27年度の売上高目標1000億円を、1年前倒しで達成する見込みだ。
牽引役は中国のAI(人工知能)半導体関連向けで、「30年度までは増加傾向が続くだろう」とシチズンマシナリーの伊奈秀雄社長は自信をのぞかせる。
好調なのはシチズンマシナリーに限らない。日本工作機械工業会(日工会)によると、今年6月の受注総額は史上最高となる2033.8億円(前年同月比52.7%増)を記録した。8月も1978.7億円(同64.7%増)と、6月に次ぐ高い受注額となった。
日工会の坂元繁友会長(芝浦機械社長)は、「アジアの活況が目立つが、世界全体でも設備投資の盛り上がりが継続的にうかがえ、全体として緩やかな回復局面から拡大局面に入ったと見ている」と説明した。
中国特需で生まれた悩み
活況な中でシチズンマシナリーが直面しているのは、利益率の伸び悩みだ。18年度は営業利益率18.1%だったが、24年度は同7.6%、25年度は同9.0%と1ケタ台に低下した。背景には、中国向け工作機械の拡大がある。中国を含むアジア市場の26年度第1四半期の受注台数は前年同期比207%増で、米州の同86%増、欧州の同8%減と比べると中国の存在感が際立つ。

記事の続きでは、中国攻略で直面するツガミの存在感、日米欧市場のテコ入れ戦略、2030年に向けた生産体制などについて取り上げています。
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こばやし さくSaku Kobayashi
2003年生まれ、東京都北区出身。
早稲田大学政治経済学部を卒業後、2026年入社。楽器、時計、ロボットなど広く精密機械業界を担当。趣味は登山、長距離を歩くこと。野球テレビ観戦と1970〜90年代の懐メロを聴くことが好き。興味分野は企業の社会的責任(CSR)や障がい者雇用について。
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