アメリカ政府がMicrosoftやAdobeなど8社の外国人労働者向け永住権申請手続きを停止

対象となるのはMicrosoft、Adobe、Cognizant、Infosys、Tata Consultancy Services、Wipro、HCL Technologies、Capgeminiの8社です。労働省はこれらの企業による永住権取得に向けた労働認証の新規申請を受け付けず、処理もしない方針です。
アメリカでは企業が外国人労働者の雇用を通じて永住権取得を支援する場合、原則として「PERM」と呼ばれる労働認証手続きが必要です。企業は求人活動などを通じて、その職種に適したアメリカ人労働者がいないことや、外国人の雇用によってアメリカ人労働者の賃金や労働条件が悪化しないことを証明する必要があります。今回の措置はこの手続きを対象企業が利用できなくするもので、外国人の専門職労働者向けの「H-1Bビザ」そのものが停止されるわけではありません。
ヴァンス副大統領は、Microsoftが2025年に約6000人のアメリカ人従業員を解雇する一方、6300件のH-1Bビザと約3000件のグリーンカードを取得したと主張しました。その上で、解雇したアメリカ人従業員1人につき約1.5人の外国人労働者に置き換えた計算になると批判しています。
また、ヴァンス副大統領は一部の企業が目立たない地方紙に求人広告を掲載し、応募者がいないことを理由に外国人労働者の雇用を正当化していると指摘しました。外国人労働者は雇用主に在留資格を依存するため、アメリカ人より低い賃金で働かせることができるとも主張しています。
ソンダーリング労働長官によると、今回対象となった企業は2009年以降、合計で約300万人の外国人労働者を求め、23万件以上のH-1Bビザ承認と10万件以上の労働認証を受けてきました。同長官は、MicrosoftとAdobeについては複数の連邦政府による調査が進行中であることを停止理由として挙げています。
これに対してMicrosoftは同日、公式ブログで声明を発表。同社によると、前会計年度に提出した約6000件のH-1Bビザ申請のうち80%は既存従業員の在留資格の延長や変更を目的としたもので、新たな従業員の採用ではなかったとのこと。残る新規採用の申請もすでに合法的にアメリカ国内に滞在していた人を対象としており、その人数はアメリカ国内の従業員全体のわずか1%に相当すると説明しています。
さらにMicrosoftは「H-1Bビザの申請は厳格な資格要件を満たす従業員に限っており、同ビザで働く従業員にも同等の業務を担当するほかの従業員と同じ水準の報酬を支払っている」と強調しました。加えて、アメリカ国内の従業員の大多数はアメリカ人であり、政府に追加情報を提供する意向を示しています。
一方、バイデン政権下でアメリカ市民権・移民局の上級顧問を務めたダグ・ランド氏は今回の措置について、外国人労働者が雇用主に依存していることを問題視するのであれば、永住権取得を妨げるのは矛盾していると指摘しました。永住権を取得すれば、外国人労働者は在留資格を維持するために特定の雇用主の下で働き続ける必要がなくなり、転職や賃金交渉もしやすくなるためです。
なお、トランプ政権は企業に対する措置に加え、ハーバード大学、イェール大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学など9大学についても、外国人向けの交流訪問者ビザ「J-1」の不正利用が疑われるとして調査する方針を明らかにしています。
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