脆弱性、10年以上前から存在 AIが解明支援―PHP問題
パソコンの画面に表示されたバイナリーコードと錠前=イメージ(AFP時事)
【シリコンバレー時事】世界のウェブサイトの約7割を脅威にさらした、プログラミング言語「PHP」の脆弱(ぜいじゃく)性問題。発見した企業の1社によれば、脆弱性は10年以上前から存在していたものの、現在まで見過ごされていた。解明を支援したのは人工知能(AI)だった。
問題となった2件の脆弱性が、PHPの開発チームに相次いで報告されたのは今年8月。チームは2024年に行った外部監査で問題の兆候を把握していたものの、その時点で具体的な悪用方法が発見されなかったことや人員不足もあり、対応は先送りされていた。
最初にこの脆弱性を報告したセキュリティー企業カリフの研究者は、04年に発見されたメモリーに関するバグをヒントに、同様の問題が他に存在しないかAIを「相棒」に調べた。利用されたのは米オープンAIが開発した高性能AIモデル「GPT5.6ソル」。米同業アンソロピックの「クロード・ミュトス」のような一般非公開モデルは「一切使わなかった」という。
カリフとは別に、米グーグル傘下企業ウィズのチームは、グーグルの最先端AIモデル「ジェミニ4アルゴン」などを活用し脆弱性を発見。ウィズによれば、問題は「10年以上未解決のまま対応されていなかった」という。悪用方法の実証には極めて複雑な手順が必要だったが、先端AIモデルが手間を大幅に軽減した。
PHP開発チームは今月22日にプログラムの修正版を公開予定だったが、その2日前に脆弱性に関する情報がネット上に漏えい。チームは公開を21日に前倒ししたが、情報を基に攻撃者が先回りし、サイバー攻撃を仕掛ける危険は残った。実際、米アマゾン・ドット・コムは17日と21日、攻撃の試みを検知したという。
AIの登場により、サイバーセキュリティーを巡る環境は一変した。2社とは別に今回の問題を報告したオープンAIは「今後数カ月間で同様の発見が急増すると予想される」と警告した。
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