「出産した回数」が母親の寿命に影響を与える可能性がある
被験者を出産した子どもの数と出産時期に応じて7つのグループに分けて分析した結果、「生涯で2~3人の子どもを出産した女性」が最も長生きする傾向があると判明しました。妊娠の時期も重要であり、24~38歳の妊娠がより良好な生物学的加齢と長寿につながることも示されました。
一方、4人以上の子どもを出産することは、寿命の短縮および生物学的老化の加速に関連していることもわかりました。論文の筆頭著者であり、ヘルシンキ大学の博士課程に在籍するミカエラ・フッカネン氏は、「進化生物学の観点から見ると、生物は時間やエネルギーといった限られた資源しか持っていません。生殖に大量のエネルギーを費やすと、身体の維持や修復に使われるエネルギーが減り、寿命が短くなる可能性があります」と述べています。
この研究では、子どもを出産しなかった女性も寿命が短く、生物学的老化が早い傾向がみられました。使い捨ての体理論では、子どもを出産しなかった女性はその分だけ身体維持に使えるエネルギーが多くなるはずであり、やや意外な結果といえます。
なお、より若い年齢で出産した女性は生物学的な老化が早く、寿命が短い傾向が見られました。しかしこの関連性は、アルコール摂取量やボディマス指数(BMI)といった他の要因を考慮すると、その差はほぼ消失したとのことです。
論文の共著者であるミーナ・オリカイネン博士は、「暦年齢よりも生物学的年齢が高い人は死亡リスクが高くなります。私たちの研究結果は、人生における選択が老齢期よりもずっと前から、測定可能で永続的な生物学的痕跡を残すことを示しています」と述べました。
なお、今回の研究でみられた関連性はあくまで集団レベルのものであり、因果関係を証明したわけでもないことから、女性はこの結果を受けて家族計画に修正を加えるべきではないと研究チームはアドバイスしています。
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