[ITmedia Mobile] 「iPhone 18 Pro Max」を試して分かった進化と課題 想像以上に“使えた”可変絞り搭載カメラ
毎年恒例の“iPhone商戦”だが、2026年は投入されるモデルに変化があった。9月に登場したのは「iPhone 18 Pro」シリーズの2機種のみ。フォルダブルモデルの「iPhone Duo」は10月、標準モデルやiPhone Airの後継機は依然として登場時期が明かされていない。9月発売という区切りで見ると、投入されるモデルが半減した。
モデル数が減ったことに加え、Proモデル2機種はフルモデルチェンジを果たした「iPhone 17 Pro」シリーズの後継機だったこともあり、9月の発売日は例年よりも静かなスタートになった印象を受けた。カラーや容量によっては入荷待ちになっていることもあるが、比較的入手は容易になっている。
9月18日に登場したiPhone 18 Pro Max。その特徴をレビューしていく
一方で、iPhone 18 ProやiPhone 18 Pro Maxがまったく変わっていないかといえば、必ずしもそうではない。デザインを刷新した2025年と比べればマイナーチェンジであることは否定できないが、中身はしっかり進化している。特に、カメラについてはより“プロ”を名乗るのにふさわしい仕上がりになった。そんなiPhone 18 Pro Maxを試用してみた。ここでは、そのレビューをお届けしよう。
カラーリング変更で変わった印象、ディスプレイ埋め込みの赤外線センサーも新しい
1年前に登場したiPhone 17 Proシリーズで外観を含めたデザインを全面的に刷新したばかりということもあり、iPhone 18 Proも大きく見ればほぼ同じ形を踏襲している。放熱性能の高いアルミを本体ケースとして使用している点は同じ。ワイヤレス充電やMagSafeのために、背面に穴をあけるようにしており、そこにガラスがはめられている仕様も共通している。
一方で、iPhone 17 Proシリーズと比較すると、アルミとガラスの色の差がなくなっており、より一体感が高まった印象だ。もちろん、アルミとガラスではもとの素材が持つ質感がまったく異なるため、ガラスをはめ込んでいる見栄えは変わっていないが、iPhone 17 Proシリーズよりは目立ちにくい。
側面と背面。背面はアルミボディーにガラスをはめ込んだデザイン。同系色にまとめることで、iPhone 17 Proシリーズよりすっきりした印象になった
どちらがいいかは好みによるところも大きいため、判断が難しいが、筆者はiPhone 17 Proのように、よりはっきり色合いが分かれている方が好み。より素材の違いを明確にすることで、機能美が引き立っているように感じたからだ。今までのiPhoneにはなかったデザインランゲージが面白いと思ったのも大きい。
逆に、iPhone 18 Proは一体感が高まり、どちらかといえば、そぎ落としたシンプルさを売りにしていたかつてのiPhoneに印象が近づいた気がする。本体の形状はまったく変わっておらず、カラーリングを変更しただけだが、雰囲気は思った以上に違うと感じた。シンプルに振ったのは、ディスプレイ面のダイナミックアイランドが狭くなっているところにも表れている。
Face ID用のカメラや各種センサーを一体にしたダイナミックアイランドも、小型化されている
これは、Face IDを実現する赤外線センサーが画面内に埋め込まれたためだ。これを実現するため、Appleはアンダーディスプレイカメラ(UDC)に近い技術で、ディスプレイのピクセルを間引き、その下に赤外線センサーを配置している。実はiPhone 18 Pro Maxの画面左上を間近でよく見ると、円の形をした表示が粗くなっている部分があることが分かる。この下に赤外線センサーが組み込まれている。
実は赤外線センサーが、ディスプレイの下に埋め込まれている。目立たないよう、部分的に輝度を上げて調整したという
ただ、そのままだとピクセルが足りないことが目立ってしまうため、部分的に輝度を調整して、画面点灯時でも気付かれにくいように処理されている。赤外線センサーを隠すため、かなりこだわって設計されているといえる。前面がややすっきりしたのは、そのためだ。現状ではカメラやドットプロジェクターが露出しており、ダイナミックアイランドは残っているが、カメラの画質などの問題がクリアできれば、画面下にFace IDのシステムを丸ごと埋め込むことも不可能ではないだろう。そんな将来を予感させる仕掛けだ。
想像以上に使えるレンズ絞り、人物撮影やメシ撮りに効果絶大
では、大きく変わったカメラはどうか。まずは、絞りを人物写真と料理写真で試してみた。iPhone 18 Proシリーズでは、絞りを手動で4段階に変更できる。通常はオートになっているが、カメラ設定の「レンズ絞り」というメニューを呼び出すと、絞りの調整が可能になる。4段階の変更に対応しており、開放のF1.48からF1.8、F2.8、F4.0までをワンタッチで選択できる。
メインの広角カメラが、絞りに対応した。レンズ内に羽がつき、設定した値に応じて絞りを変更する
開放はレンズにもっとも光を取り込める状態で、暗い場所に強いのはもちろん、明るい場所で背景をボカしたいときに利用できる。逆に、レンズを絞っていくと遠景までよりクッキリと描写され、ボケが少なくなる。人物などの被写体を強調したい時には開放、背景までしっかり見せたいときには絞って撮るといった形で、意図に合わせた絞りを選択できるようになった。
標準だとオートだが、オートを解除して手動で絞りを選択することもできる。モデルは紬希 奈生さん(以下、同)
実際に撮った写真は、以下の通りになる。まず人物から。F1.48で撮ると、背景がきれいにボケていて人物が際立って見える。ただ、やや斜め奥に写る肩あたりからボケ始めており、人物全体をきちんと捉えているとはいえない。これを、F1.8に変更すると、肩のあたりまでクッキリと写りつつ、背景はしっかりボケている写真になった。
F2.8にすると、逆に背景がしっかり写り始めてきて、トラックなどの形が分かりやすくなってくる。F4でもまだ若干背景はボケているが、背景の明瞭さが高くなり、人物とのコントラストが弱くなる印象だ。逆に、特徴的な背景をしっかり見せたいときには、F2.8やF4にして、より全体をはっきりさせた方がいいだろう。赤い壁の前にモデルが立ったF1.48とF4の写真を比べると、その違いがより分かりやすい。
F4にすると、背景がくっきりとしすぎていて、やや立体感には欠ける印象だ
それぞれF1.48(上)とF4(下)で撮った写真。背景を見せたいかどうかで、絞りを使い分けるといい
背景をボカす手法として、カメラの視差や機械学習を利用したポートレートモードもあるが、これはどちらかといえば、より大判の一眼カメラで撮ったような写真をシミュレーションで作り出すもの。レンズ絞りと比べて盛大に背景がボケるが、この画質に対してやや不自然さも残る。
上と同じシチュエーションでポートレートモードを使った写真。こちらは盛大にボケているが、不自然さも残る
人物撮影だけでなく、テーブルフォト、特に料理の写真を撮りたいときにもこの機能は活躍する。昨今のスマホカメラは、センサーサイズの大型化が進み、レンズも明るいが、その一方で意図しないボケが生じてしまうことがある。料理写真の場合、立体感があったり、斜めに撮ったりすると、全体にピントが合わず、料理がボケてしまうケースが増えている。
このようなときには、F4に設定して撮ると、より全体を捉えた写真に仕上がる。以下は、小さなグラスが4つ並んだビールの写真だが、F1.48で撮ると奥のビールはボケていてはっきり分からないのに対し、F4だと手前から奥までしっかり被写体を捉えている。プレートに盛られた料理の全体を見せたいときなどは、F4にするといいだろう。デジタルカメラで本格的に撮影したことがないと、絞りの設定はやや複雑に感じるかもしれないが、より撮りたい写真に近づけることができる。まさにプロモデルにふさわしい機能だ。
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