旧宮家の男系養子可能に 女性皇族、結婚後も身分保持―改正皇室典範施行
皇居(中央)と東京都心部
皇族数確保に向けた改正皇室典範が24日、施行された。これまで禁じられてきた皇族の養子縁組が旧宮家の男系男子に限り認められ、女性皇族は結婚後も身分を保持することが可能になった。政府は皇族数減少を食い止める意義を訴えるが、女性皇族と夫・子の身分の違いや、実際に養子縁組が実現するかなど、課題は残る。
高市早苗首相は23日、皇居を訪れ天皇陛下に内奏した。木原稔官房長官は記者会見で、新制度では当事者の自由意思が尊重されるべきだとし、「運用に際しては当事者に寄り添い、適切な対応を行う」と強調した。
結婚により皇室を離れてきた女性皇族は、引き続き公務の担い手となる。一方で「家族の一体性」をどう保つかは懸念材料だ。女性皇族は皇統譜と住民基本台帳の双方に記載され、姓を持たないため住民票には名のみが載る。夫や子は皇族にならず、家庭内で身分が異なるいびつな状態となる。女性皇族には投票権や被選挙権がないが、一般国民である夫や子にはあるため、皇室の政治的中立性との関係を懸念する声もある。
夫や子も公務に携わるのか、警護をどこまで行うのかといった具体的運用の検討はこれからだ。経過措置として、現在の女性皇族は婚姻時に皇室を離れるか否かを選択できるものの、判断が世間の注目を集め、心理的負担となる恐れもある。
養子制度について、実際に候補者が現れるかは不透明だ。養子の対象は、配偶者や子のない旧宮家の15歳以上の男子。専門家によると、旧11宮家のうち旧4宮家の10人ほどが対象となり得る。
ただ1947年に皇籍を離脱した旧宮家の男系男子と天皇陛下は約600年前の室町時代に系統が分かれ、36~38親等の隔たりがある。野党からは「ほとんど赤の他人」と言われる中、国民が納得するかも課題となる。憲法が禁じる「門地による差別」に当たるとの声も根強い。
改正典範には首相の「男系維持」への強い意向が反映された一方、女性・女系天皇の是非など、皇位継承を巡る根本的な議論は先送りされた。国会の付帯決議には「安定的な皇位継承を確保するための方策について引き続き検討する」と記された。野党は有識者会議の設置を求めているが、木原氏は会見で「直ちに設置することは考えていない」と重ねて慎重姿勢を示した。
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