[ITmedia News] 米住民投票でデータセンター建設に反対相次ぐ 規制派民主知事も続々当選、推進に逆風も
11月3日の米中間選挙に合わせ各地で行われた住民投票で、人工知能(AI)向けデータセンター建設の是非を問う計41件が10州であり、1件を除き建設禁止や規制強化が可決された。米メディアが報じた。南部テキサス州などの知事選では、規制推進派の野党・民主党系が当選。AI建設への逆風が強まるとの見方が出ている。
米選挙関連情報サイト「バロットペディア」によると、こうした住民投票のうち半数を超える21件が中西部オハイオ州内で実施された。中西部イリノイ州内でも7件が行われたが、1件を除き、データセンターに反対する有権者の意思が示される結果となった。
このほか実施されたのはカリフォルニア、フロリダ、カンザス、メーン、ニュージャージー、ネバダ、ウィスコンシン各州などの地域だった。
唯一、中西部ノースダコタ州ハーウッド市の住民投票では、建設を後押しする住民の意向が示された。建設前に審査などの一定の手続きを課すことが問われたが、否決された。
住民投票で建設禁止や規制強化の対象とされたり、既に一部の州で導入された、計画承認を保留・凍結する「モラトリアム」の対象とされたりしたデータセンター関連事業は、市街地や公有地に限って効力を持つものが多い。
そのため、対象地域外となる郊外や私有地などで進む計画に対しては、住民投票やモラトリアムが及ぼす効果は限定的との見方がある。
一方、トランプ大統領が米企業によるAI開発を促進する方針を強調する中、AI開発や巨大IT企業に対する規制強化に前向きな民主党が今回の中間選挙で大勝した。その結果、AIの運用基盤として急速に拡大してきたデータセンターの整備にブレーキがかかるとの見方が強まっている。
テキサス州知事選で、民主党候補のジーナ・イノホサ氏が、共和党現職のグレッグ・アボット知事のもとでデータセンターの急増を招いたとの批判を展開。共和党地盤の同州で、イノホサ氏が大差で初当選を決めた。
南部ジョージア州や中西部ミシガン州などの知事選でも、建設推進の保留を主張する候補が勝利した。
ソフトバンクグループが世界最大規模のデータセンターの建設計画を進めるオハイオ州の上院選では、民主党候補が、州副知事の経歴がある共和党候補を「建設推進派」などと攻撃して、当選を果たした。
今回の中間選挙では民主党が上下両院の多数派を奪還した。2027年1月に始動する同党主導の新議会では、AI開発やデータセンター建設を巡り、議会の監視や規制強化の議論が進む公算が大きいとみられている。(ワシントン=塩原永久)
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