全自動ナニー、ライフログツール…著名SF作家が描く子育てと技術の関係 テッド・チャン『息吹』を読む(上) | ライフ | 東洋経済オンライン

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大澤 博隆 慶応大学教授 慶応大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター所長
テッド・チャンはSF作家であると同時に、AIを厳しく批判する論客としても知られている。AIが意識を持っているかのように宣伝する大企業には警戒を示し、現在の生成AIはインターネットの不完全なコピーにすぎないと指摘する。先端知識を基に、分析的に状況を述べているのだ。
短編・中編を主とする寡作の作家だが各作品は良質で、アメリカの著名な賞を受賞している。一般の知名度も高く、宇宙人との交流を描き、言語の構造から人生に対する認識の変革を迫った『あなたの人生の物語』は、映画『メッセージ』の原作でもある。『息吹』は2冊目の短編集だ。
ビジネスに効く名著のエッセンスを識者がコンパクトに解説する。【原則土曜日更新】
本稿ではその中から、とくに子育てと技術の関係を描いた3編を取り上げる。
まずは「デイシー式全自動ナニー」、もし19世紀に機械式の乳母(ナニー)が作られたらどうなっていたかをめぐる話だ。科学者のレジナルド・デイシーは、息子が乳母に虐待されていたことに衝撃を受け、授乳や排泄(はいせつ)、子守りを全自動で正確に行う機械を発明し、売り出す。しかしユーザーがこの機械を改造し故障した結果、幼児が死亡する事件が起こる。全自動ナニーは使われなくなり、レジナルドは嘲笑される。時を経て20世紀、この機械に育てられた息子は父の名誉回復のため、子供を全自動ナニーを使って育て始める。
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大澤 博隆 慶応大学教授 慶応大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター所長
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おおさわ ひろたかHirotaka Oosawa
慶応大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター所長。日本SF作家クラブ会長。博士(工学)。共編著に『SFプロトタイピング』、監修に『SF思考』など。
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