[ITmedia News] ナッツを多く食べる人、認知テストで高成績の傾向 豪州チームが1700人以上を分析
著者
山下(Seamless)
[ITmedia]
Innovative Tech:
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
オーストラリアのモナシュ大学に所属する研究者らが発表した論文「Nut consumption, cognitive function and brain health markers in individuals with and without stroke: cross-sectional and longitudinal findings from the Framingham heart study」は、ナッツ類の摂取が認知機能や脳の健康に与える影響を調査した研究報告だ。
研究チームは、アメリカの健康調査「フラミンガム心臓研究」(FHS)のデータを用い、参加者を脳卒中の経験がないグループと脳卒中生存者のグループに分け、過去の食事データに基づくナッツの平均摂取量と、認知機能のテスト結果、MRIで測定した脳の体積、血液中に含まれる脳神経を保護する成分「BDNF」「VEGF」との関係を分析した。
脳卒中の経験がない1742人を対象とした分析では、年齢、性別、肥満度などの影響を統計的に調整した結果、ナッツの摂取量(1日0~94.3g)が多いほど全体的な認知機能のスコアが高いことが示された。
参加者をライフスタイル別に分けて分析すると、食事の質が低い人や運動不足の人など、生活習慣に課題があるグループにおいてのみ、ナッツを多く食べるほど認知機能が良好になる傾向が確認された。
また、脳卒中を経験した生存者28人を対象とした分析では、ナッツの摂取量が多い人ほど、血液中の「血管内皮増殖因子」(VEGF)の濃度が高いことが分かった。VEGFは新しい血管を作り出し、脳の組織を保護・修復する役割を担う成分である。
なお、参加者を10年間にわたって追跡した調査では、ナッツの摂取量と新たな脳卒中や認知症の発症リスクとの間に関連は見出されなかった。
Source and Image Credits: Sasan Amanat, Aimee L. Dordevic, Matthew P. Pase, Barbara R. Cardoso; Nut consumption, cognitive function and brain health markers in individuals with and without stroke: cross-sectional and longitudinal findings from the Framingham heart study. Food Funct. 2026; 17 (17): 7734–7747. https://doi.org/10.1039/d6fo00666c
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
SpecialPR
Innovative Tech
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
この記事の著者
2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.