[ITmedia Mobile] 5万9800円の「Phone (4b)」が示すNothingの戦略 FeliCa対応&洗練された透過デザイン
Nothingは、新型スマートフォン「Phone (4b)」を日本国内で10月27日に発売する。公式直販サイトでの価格は5万9800円だ。
4月に登場した「Phone (4a)」や5月に登場した「Phone (4a) Pro」に続く4シリーズの最新製品であり、同シリーズの中でより手に取りやすい価格帯と実用的な機能を追求したモデルに位置付けられる。日本市場向けのローカライズ仕様として「FeliCa」が挙げられる。
モデル名の末尾に付加したアルファベット「b」は、先行するPhone (4a)の下に位置するアプローチしやすい製品であることを示す。単なる廉価版を意味する「Lite」という名称を採用せず、手に取りやすい位置付けを独立した記号として表現した。Phone (4a)とは当面並行して販売を継続し、ユーザーへ多様な選択肢を提供する。
「Phone (4b)」の実機。ユニボディーデザインにGlyphバーを融合させたのが大きな特徴となっている
光で通知を行う「Glyphバー」を配置 2眼構成のアウトカメラも
透明なアクリルプラスチックを用いたソリッドなユニボディーを採用し、手に持った際の一体感を向上させた。ブランドの象徴であるシースルーデザインはアウトカメラ周辺へ集約している。高精度のポリウレタン樹脂を採用することで優れた透明度を確保し、内部のアンテナ部材やカメラリングの金属構造が外側から見える設計に仕上げた。
アウトカメラ周辺は特に印象的だ。透明な台座にパーツが集約されている
ボトム側。ブランドの象徴であるシースルーデザインはアウトカメラ周辺のみで、ボトム側はそうしたデザインを採用していない
背面には光で通知を行う「Glyphバー」を配置する。従来モデルよりも発光の明るさを向上させ、着信やメッセージの受信、カメラのカウントダウンといった情報を光の段階変化で伝達する。画面を伏せた状態でも重要な情報を視覚的に把握できる仕様だ。
個別に制御可能な45個のミニLEDを搭載したGlyphバー(右側の細長いバーの部分)
Glyph設定画面。着信音や着信時の発光パターンなどをここで設定できる
カメラ機能は実用性を重視した2眼構成を採用する。メインカメラには光学式手ブレ補正を備えた5000万画素のセンサーを搭載し、4K動画撮影に対応する。超広角カメラには800万画素のセンサーを組み合わせる他、照明のフリッカー現象を察知する360度環境光センサーを備える。
撮影時の画像処理には第4世代の「TrueLens Engine 4」を導入する。Qualcommのプロセッサ「Snapdragon 6 Gen 4」と連携し、被写体の情報を自然な色合いと解像感で補正する。動画撮影機能として、メインカメラとインカメラを同時に作動させて1つの動画ファイルに収める「デュアル動画撮影機能」を搭載する。Vlog撮影や自分を含めた状況記録に活用できる。
アウトカメラは0.6x~10xを切り替えられる0.6xは超広角、1xは標準となる
さらに1万人以上の多種多様な顔データを参照する「AIビューティファイモード」を備え、肌のトーンや目元の補正を自然な仕上がりで実行する。モードのオンオフ切り替えも可能だ。
大容量バッテリーやAI機能を搭載
ディスプレイには6.77型の有機EL(Super AMOLED)を採用する。リジッド基板を採用したことでベゼル幅はわずかに増しているが、手のひらに収まるサイズ感を維持する。
プロセッサにはSnapdragon 6 Gen 4を採用している。マルチタスクやAIといった処理能力を高めた
バッテリー容量は、同ブランドのスマートフォンとして最大となる5200mAhを確保する。金属面を活用した放熱・冷却システムを内部に構築し、ゲーム処理や高負荷なAI処理の際にも安定した動作を維持する。
独自機能の「Essential AI ツール」として、本体左側面に専用の物理ボタン「Essentialキー」を設置する。ボタンを押すだけで音声やスクリーンショットをキャプチャーし、「Essential Space」へ自動で保存して要約を作成する。「Essential検索」や話しかけることでミニアプリを生成する「Essentialアプリ」など、直感的にAIへアクセスできる環境を整えた。
本体左側面に配置した専用の物理ボタン「Essentialキー」
スクリーンショットをキャプチャーし、「Essential Space」へ自動で保存する様子
カラー展開はホワイト、ブラック、ブルーの3色となる。このうちブルーは「楽天モバイルの限定カラー」として提供する。楽天モバイルでは3色全てを取り扱い、オープンチャンネルおよび公式直販サイトではホワイトとブラックを販売する。
部材高騰が続くスマートフォン市場において、実用性能と価格のバランスを追求したモデルとして存在感を示していく。
ミドルレンジ市場へ投入する戦略と価格設計
直近の半年間でメモリ調達コストが急騰するなど、半導体をはじめとする部材価格の上昇によりスマートフォン業界全体で価格高騰が続いている。特に製造コスト(BOM)に占めるメモリ上昇の影響が大きいミドルレンジ帯は最も厳しい状況に直面しているが、メーカーが高価格帯へシフトしてしまうとユーザーの選択肢が失われるため、Nothingはこの価格帯の需要に応える製品を供給し続ける姿勢をとっている。
既存製品を値上げするのではなく、世代交代のタイミングで適正価格を設定することで、ビジネスの継続性を確保しながら市場でポジションを維持していく戦略といえる。
特に今回、日本市場に投入するPhone (4b)は、4シリーズの中で「よりアプローチしやすいモデル」と定義している。とはいえ、性能としても価格帯としても廉価版(Lite)とはいえず、価格高騰によってさらに難しいポジショニングを迫られている。
価格は8GB+128GB構成が5万8800円からのPhone (4a)に近いが、同等スペックの他社製品が10万円近くまで上昇している市場環境において、8GB+128GB構成や2眼カメラなど必要最低限の性能を実現した仕様とし5万9800円というコストパフォーマンスを何とか維持している。
NothingはPhone (4b)とPhone (4a)をしばらく併売しながらも、最新チップセットや大容量バッテリー、刷新されたデザインといった明確な付加価値を製品のバリエーションと一体的に示すことで、ミドルレンジ市場における競争力を発揮していく。
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