「自分たちの意思で運営していける」国内2例目のパーシャル・スピンオフ上場、クラサス福田社長が語る独立と高配当戦略 | ビジネス | 東洋経済オンライン

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レゾナック・ホールディングスの石油化学事業を担ってきた子会社クラサスケミカルが、9月29日に東証スタンダード市場に上場する。パーシャル・スピンオフ制度(※)を活用した国内2例目の上場で、レゾナックHDの保有比率は20%未満となる。国内石化業界の苦戦がささやかれる中で、どのように上場企業として独り立ちを果たすのか。福田浩嗣社長に今後の戦略を聞いた。
※親会社が子会社株式の一部(20%未満)を継続保有し、残りの株式を自社株主に現物配当して独立させる事業分離手法

福田浩嗣(ふくだ・ひろつぐ) 1961年生まれ、85年昭和電工(現レゾナックHD)入社、2016年石油化学事業部オレフィン部長、18年執行役員石油化学事業部長大分コンビナート管掌、22年業務執行役石油化学事業部長、24年から現職(撮影:尾形文繁)
――上場日が迫ってきました。
ここまで比較的短時間でこぎ着けられたことに、正直ホッとしているところだ。パーシャル・スピンオフ制度を活用した上場は、日本ではソニーフィナンシャルグループに次いで2例目、石油化学(石化)単独の会社として上場するのはおそらく初めてとなる。
――レゾナックが石化事業のパーシャル・スピンオフを検討すると公表したのは2024年2月でしたが、それ以前から社内で話は出ていたのですか。
レゾナックは半導体や電子材料に経営資源を投入する方針を明らかにしていた。そうなるとわれわれ石化事業に回ってくるお金も自然と限られる。また、事業のスピード感も全然違う。そういった中でレゾナックの判断として分社化させようとなった。
――当初からパーシャル・スピンオフを想定されていたのですか。
最初からパーシャル・スピンオフありきではなく、例えばどこかの会社と一緒になったらどうか、など色々な検討をした。ただ、うちは大分にコンビナートが1つだけなので、どこかの会社と一緒になって、どちらかのプラントを止めるとなると、誘導品の原料のエチレンやプロピレンを船で運ばなければいけなくなる。そこを考慮した結果、われわれとしてはメリットがないという結論になった。
「赤字続きでは決断できない」
――単独での成長、上場という方針の決め手は、他に何があったのですか。
一番大きかったのは、過去10年間、ちゃんと利益もキャッシュフローも出せていたことだ。これなら分社化して独立して、上場もできるのではないか、と。これはレゾナックの判断でもあり、われわれも「これなら自分たちの稼いだお金で戦略的な投資ができる」と思った。別々に歩んだ方がお互いにメリットがあるということだ。赤字続きの事業部だったら、到底できない決断だった。
――総合化学メーカーの石化事業は近年、採算確保に苦しんでいます。そうした中でもクラサスは黒字を保っています。なぜでしょう。
われわれの大分のクラッカー(ナフサを熱分解してエチレンなどの石油化学基礎製品を生産する設備)では、灯油や軽油、LPG(液化石油ガス)といったナフサ以外の原料を使用できる。理論的には65%使用可能なので、その時々で安価な原料を使い分けできるのでコスト優位性が高い。10年にスクラップ&ビルドしたクラッカーは新しく、エネルギー効率が高い。多少の不純物が混ざっていてもそれを除去できる設備も持っている。
記事の続きでは、パーシャル・スピンオフ方針を聞いた社内の反応、厳しい事業環境下での事業戦略、業界再編へのスタンス、株主還元の方針などについてお読みいただけます。
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こじま しゅんすけShunsuke Kojima
繊維・化学業界を担当。大学卒業後、全国紙で岐阜市、名古屋市での勤務を経て、2026年2月に東洋経済新報社入社。学生時代は主に文芸、文化批評、現代思想を学び、今でも趣味はインドア派。ネットカルチャー全般が趣味。新潟県新潟市出身。
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