人間と区別できないほど自然に会話できる音声AI「Prism」が登場、発言内容を事前確認できる仕組みを搭載

従来の音声AIでは人間の発言をいったん文字に変換し、AIが考えた回答を再び音声に変換する方式が広く使われてきました。しかし、文字に変換する過程で怒りやためらい、笑い声といった音声特有の情報が失われやすく、人間同士の会話と比べると不自然な部分が残っています。
一方、音声を直接理解して返答する方式なら声の調子なども踏まえて応答できますが、AIが話す内容を企業側で事前に確認したり修正したりすることが難しくなります。電話応対では顧客情報や金額を正確に伝える必要があるため、会話の自然さと発言内容の管理を両立させることが課題となっていました。
Prismはユーザーの声を直接理解して返答を考えつつ、実際に話す前に返答内容をテキストで出力する仕組みを採用しています。企業は出力されたテキストを設定したルールに沿ってチェックし、必要に応じて修正することが可能です。さらに、AIが話している最中もユーザーの声を聞き続けるため、会話の途中で相手が発言した場合にも対応できるとのこと。
Prismはユーザーの音声に約300ミリ秒(0.3秒)で反応できるほか、会話しながら外部ツールを呼び出すことも可能です。例えば電話応対中に顧客情報を確認する場合、AIが必要な情報を取得しながら会話を進めることができるとのこと。また、人名やアカウントに関する用語の発音のカスタマイズにも対応しています。
RimeはPrismの性能を確かめるため、航空会社や小売業者、通信事業者への問い合わせを想定した音声AIの評価テスト「τ-Voice」を実施しました。Prismはタスクの成功率が56.6%となり、回答前に追加の推論処理を行わないOpenAIやGoogleのリアルタイム音声モデルを17~30ポイント上回ったとのこと。通信分野のテストではOpenAIの「GPT-Live-1」のタスク成功率が45.6%だったのに対し、Prismは82.5%でした。
また、テストでPrismが最初の音声を出力するまでにかかった時間は0.57秒で、GPT-Live-1やGoogleの「Gemini 3.8 Live」などと比べて約半分だったそうです。
Prismは企業ごとの業務に合わせてAIを追加学習させることも想定されています。Rimeは試験導入企業と協力し、会話データなどを使ってPrismを学習・調整するためのAPIを開発中とのこと。将来的には企業が自社の業務に特化した音声AIを構築できるようにする計画です。
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