OpenAIがGitで超大規模リポジトリを運用するためのバックエンド「Pando」を開発
— OpenAI Developers (@OpenAIDevs) November 3, 2026We built Pando, a new Git backend for our monorepo, to handle more pushes and fetches without changing how our engineers and agents use Git.
Pando cut push latency by ~80% and now serves nearly a petabyte of Git data a day. We can grow Git capacity alongside agent usage. pic.twitter.com/4c0YXOfKqK
OpenAIの社内ではコードを巨大なモノレポで管理しています。Codexの活用によってコミット数が増大したことで2025年末頃から既存のGitシステムではプッシュの失敗やマージの遅延が発生するようになり、信頼性が90%を下回る事態に陥ったとのこと。以下は2024年第1四半期を基準としたコミット数の増加割合を示しており、2026年第3四半期には14倍以上に増加していることが分かります。
一方で、OpenAIは「Gitの代わりとなるシステム」ではなく「Gitのバックエンドシステム」としてPandoを開発しました。これにより、Gitを用いた既存のワークフローを変更せずにシステムを移行することに成功したそうです。
既存のGitシステムはプッシュの際にリポジトリ全体の更新順序を調整します。これに対して、Pandoはブランチごとに更新順序を調整します。また、既存システムはクライアントごとにPackfileを生成しますが、PandoはPackfileを再利用することができます。これらの工夫によってOpenAIでは必要リソースを抑えつつ1日当たり約1ペタバイトのデータを処理できるようになりました。
以下のグラフは「1000個のクライアントが個別のコミットをプッシュ」するという処理にかかる時間を「3相コミット(3PC)方式」「先行ログ書き込み方式(WAL)」「Pando」で比較したものです。3PC方式(紫)が56.52秒、WAL(オレンジ)が96.26秒かかったのに対して、Pando(青)は7.71秒で処理を終えました。
Pandoの導入によってマージ成功率は大きく向上しました。既存システムではマージ成功率が90%を下回る日もありましたが、Pando導入後は100%近い成功率を維持できています。
1日ごとのデータ配信量は増加し続けており、1時間当たり57テラバイト、1日当たり1ペタバイト近くのデータを配信できているとのこと。
なお、Pandoは1人のエンジニアが中核設計を担当し、Codexを用いてRustで実装されました。開発着手から本番稼働までに要した期間はわずか10週間で、2026年4月から本番稼働を開始しました。また、GPT-6 Astraを用いてLeanやTLA+を用いて形式的検証を実施しているほか、セキュリティAIの「Daybreak」による攻撃耐性テストも実施されています。
OpenAIはPandoをオープンソース化していませんが、Pandoの開発過程で得た知見や発見したバグはGit開発コミュニティに共有しています。OpenAIによるGit開発コミュニティへの貢献内容は以下のページにまとまっています。
OpenAI Git · patches & notes
https://oai-git.openai.chatgpt.site/
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