Googleは自社製高性能AIで怪しい広告をブロックできるはずなのに一体なぜ配信し続けているのか?
グリーニング氏がYouTubeアプリで見かけたのは「iPhoneのストレージがいっぱいです」と警告する広告です。広告はスマートフォンのUIを模倣した見た目。同氏は実際にiPhoneの空き容量が少なくなっていたため、うっかりタップしてしまったとのこと。
Googleの誤解を招く広告のデザインに関するポリシーでは、利用者が広告を操作していると気づきにくいデザインは禁止されています。具体例にはシステムの警告やエラーメッセージを装う広告、ダイアログボックスや通知に似せた広告、実際には動作しないボタンなどを描いた広告が挙げられています。つまり、グリーニング氏が遭遇した広告は禁止されているはずです。
しかし、グリーニング氏が問題の広告をGoogleに報告したところ、Googleからは「ポリシーに違反していないため削除しない」という回答が届き、再度報告しても同じ回答だったそうです。
グリーニング氏は、「問題のある広告が多くのクリックを集めてGoogleに収益をもたらしているとすれば、Googleにとって問題のある広告を削除する行為は利益に反するのだろう」と指摘。また、「審査担当者がすべての広告を十分に確認しきれず、問題のある広告を見逃している」という可能性も踏まえて「Googleは自社の高性能AIモデルを広告の審査に活用すべきだ」と主張しています。
実際にGeminiに問題の広告を入力して「この広告は『問題あり』『問題なし』のどちらか?Googleのポリシーに照らし合わせて回答せよ」と指示した結果、ポリシー違反で問題のある広告と判断されました。グリーニング氏も同様にGeminiで広告審査を試しており、「GoogleのAIを使えば数秒で問題を確認できる。それなのに、自分のGoogleに対する2回の報告では問題を認めてもらえなかった」と述べています。
なお、Googleは「広告審査や利用者からの通報処理にGeminiを使っている」と公表しています。2026年4月16日に公開された2025年の広告安全性レポートに関する発表によると、アカウントの作成時期や広告キャンペーンのパターンなども分析し、不正な広告を検出しているとのこと。2025年には83億件を超える広告をブロックまたは削除し、Geminiによる処理の効率化によって対応した利用者からの通報の件数も前年の4倍を超えたと説明しています。
グリーニング氏の投稿はソーシャルニュースサイトのHacker Newsでも話題となっており、「自身のサイトに偽の罰金請求などの詐欺広告が大量に表示された」という報告も寄せられています。報告によると、広告のリンク先にはHerokuやNetlifyなどのサブドメインが使われており、サービスのドメインごとまとめてブロックすることはできなかったとのこと。広告主のアカウントが停止されても、新しいアカウントとサブドメインを使って翌日には戻ってくる状況が繰り返されたため、Google AdSenseの利用をやめたそうです。
GIGAZINEにも、Google AdSenseやGoogle AdManagerを通して怪しい広告が膨大な量配信されています。例えば以下のようなもの。
サイト上に設置されたボタンだと誤認させる「次へ」広告。

「見る」広告。

「続きへ進むにはこちらをクリック」広告。

これらを初めとする怪しい広告については、広告担当部署で随時ブロック&Googleへの報告をしているほか、怪しい広告を排除するためのコミュニティ「CAMP GIGAZINE」を独自に運営しています。CAMP GIGAZINEの内容は以下のリンク先でチェック可能。報告には招待コードを入力してアカウント登録する必要あり。次回の招待コード配布は2026年冬に実施予定なので待っていてください!
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