[ITmedia Mobile] 「iPhone Duo」実機レビュー:精緻なハードウェアが光る一方、最適化不足という“Appleらしくない粗さ”も
満を持して登場したiPhone初のフォルダブルスマホが、「iPhone Duo」だ。閉じたときは通常のiPhoneより縦が短く、横幅が広いパスポートサイズ。開くと、横に長いディスプレイが現れ、電子書籍やWebサイトなどが見やすくなっている。これに近い比率のディスプレイはサムスン電子の「Galaxy Z Fold8」にも採用されていたが、フォルダブルスマホとしては、新しい形状といえる。
一方で、従来のiPhoneとは仕様が大きく異なるところもある。上記のディスプレイはもちろん、生体認証がFace IDではなくTouch IDだったり、最近のモデルでは一般的だったアクションボタンを備えていなかったりと、そぎ落とされている部分も少なくない。こうした点が、使い勝手にどう影響を与えるのか。発売前から実機を使ってきた筆者が、その実力をレビューしていく。
10月23日にiPhone Duoが発売された。その実力をチェックしていく
大画面とコンパクトさを両立、ディスプレイの工夫も評価できる
閉じたときのサイズ感がこれまでのiPhoneと大きく違うこともあり、持ったときの印象も異なる。横幅は、比較的大型の「iPhone 18 Pro Max」よりもさらに大きな84.1mmで、ギュッと握るのが難しい。「iPhone 18 Pro」や「iPhone 17」などの標準サイズに慣れていた人だと、ホールド感の違いに戸惑うかもしれない。ただ、縦が117.8mmと短いため、画面の上部には指が届きやすく、片手での操作はしやすい印象だ。
閉じたときのサイズはパスポートに近い。一般的なiPhoneより縦が短く、幅がある
これは、操作に必要なボタンやアンテナピクトなどの情報が全て右側に寄せられているユーザーインタフェースによるところも大きい。指が届く位置にこれらがまとめられているため、対応したアプリであれば、画面の切り替えや検索の呼び出しなどがしやすい。
操作系のボタンを右端にまとめることで、アプリそのもののアスペクト比は従来とほぼ同じになっている。違和感が少ないのは、そのためだ
この仕掛けによって、アプリを起動した際の違和感も解消されている。横にスペースを取ることで、アプリそのものの表示領域の横幅を減らし、既存のiPhoneと大きく変わらないアスペクト比になっている。これまでのiPhoneと近い感覚で使える、大きな要因といえる。ただし、その分描画領域は狭くなっているため、既存のiPhoneの方がより文字や画像などは見やすい。その意味だと、iPhone Duoは開いたときに真価を発揮する端末だ。
右がiPhone 18 Pro Max。やはり文字や表示される領域はこちらの方が広い
開いたときのディスプレイサイズは7.6型で、面積でいえば8.5型のiPad miniを一回り小さくしたようなサイズ感だ。スマホとの比較だと、iPhone 18 Pro Maxの6.9型よりも、さらに0.7型大きい。また、横長で、かつアスペクト比が1:1.4の白銀比に近いため、写真や見開きにした際の電子書籍がピッタリフィットする。単にこれまでのiPhoneより大きいだけでなく、コンテンツの表示にもジャストフィットしており、迫力が増している。
電子書籍も見開きで読みやすい。写真は拙著「通信ビジネス」のKindle版
特に感心したのが、開いたときのカメラをディスプレイ下に配置していること。カメラ部分だけ、つや消しのNano-textureコーティングが施されていないため、よく見るとそこにカメラがあることは分かるが、写真や電子書籍を表示している際にはほとんど気にならない。少なくとも、レンズの穴がぽかっと開いているディスプレイよりも、没入感は高まる。
Nano-textureコーティングによって、光の反射を抑えており、ディスプレイが見やすい点も評価できる。屋内で照明がダイレクトに当たってしまうようなシチュエーションでも画面が見やすく、光を避けるために角度を調整する必要がないため、画面に映っているコンテンツに集中できる。カメラやコーティングなど、画面の見やすさに全力を注いでいる印象で、iPhone Duoの大画面を生かし切りたいというAppleの思いが伝わってくる。
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