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Wednesday, October 21, 2026

中部電力の原発データ不正を生んだ「独自の正当化理論」という病、高木仁三郎氏が遺した「対抗的専門家」の挑戦 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

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【ポイント】
・中電の不正の背景には組織の自己正当化と異論排除がある
・高木仁三郎氏は市民の側に立つ「対抗的専門家」を体現した
・独立した専門知を支え、異論を検証する仕組みが必要だ

「極めて特異な考え方が一部に存在していたこと」

中部電力は9月、浜岡原子力発電所の地震動評価をめぐるデータ不正問題の調査報告書を公表した。外部の調査委員会がまとめた報告書は問題に通底する原因をこう分析し、社内に「独自の正当化理論」が存在していたと明らかにした。

「結果として浜岡原発の安全性に問題はない」「原子力規制委員会の指摘や要請には納得できない」「何としても早期再稼働を実現しなければならない」。こうした理屈を掲げ、原子力部門の担当者たちは「自分たちは正しいことをしている」と、信念を持って不正行為に及んでいた。後ろめたさを感じながらも、やむにやまれず手を染めるという一般的な不祥事の構図とは異なり、深刻さは桁違いだ。

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高度な専門性を持ち、客観的データや科学的知見を重んじるはずの技術者たちがなぜ、確信を持ってデータ不正に手を染めたのか。報告書は、原発再稼働を急ぐ経営層からの圧力も一因とはしている。だが、より強調するのは、高度な専門性による業務のブラックボックス化だ。業務が十数年にわたり少数の担当者に固定され、その担当者たちが独自の正当化理論を共有していれば、評価の妥当性を他部署の人間が検証するのは難しい。

それでも同社には、規制側の立場から検証する「ライン外専門家」が置かれ、この問題に的確な警告を発し続けていた。複数の内部通報もあった。だが担当者たちは最後まで異議を排除し続けた。

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かざま なおきNaoki Kazama

1977年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、法学研究科修了後、2001年東洋経済新報社に入社。電機、金融担当を経て、雇用労働、社会保障問題等を取材。2014年8月から2017年1月まで朝日新聞記者(特別報道部、経済部)。復帰後は『週刊東洋経済』副編集長を経て、2019年10月から調査報道部長、2022年4月から24年7月まで『週刊東洋経済』編集長。著書に『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』(2022年)、『雇用融解』(2007年)、『融解連鎖』(2010年)、電子書籍に『ユニクロ 疲弊する職場』(2013年)など。

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