NOT A HOTEL、プライベートジェットシェアや家・街・ミュージアム
NOT A HOTELは、NIGOがデザインするプライベートジェットのシェア所有、陸・海・空のモビリティが使い放題のサブスク、住宅販売、帝国ホテルプラザ東京跡地暫定利用プロジェクト「NOT A MUSEUM」などの新たな事業を始動する。事業領域拡張にあわせ、社名を「NOT A HOTEL株式会社」から「NOTA株式会社」へ変更する。
NOT A HOTELは「一泊限りだったホテル滞在を、所有できる資産へ」という考えから、別荘を年間10泊など必要な分だけ所有できるという事業を展開してきた。10泊/年のシェア購入の場合、物件の所有は1/36となる。1棟購入も可能で、その場合は普段はオーナーが暮らしつつ、出張や旅行に行く時だけホテルとして運用するというスタイルで所有できる。「所有権」での購入となるため、売却、相続も可能。現在は全国10拠点、オーナー数は1,357名、累計契約高は約940億円に達している。
世界的な建築家やデザイナーが手掛けている点も特徴で、発表会ではNOT A HOTELが、安藤忠雄氏、スイスを拠点とする建築家ユニット ヘルツォーク&ド・ムーロンと手掛ける新たなプロジェクトも発表。また、ジャン・ヌーヴェル氏率いるAteliers Jean Nouvelが手掛ける「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」の最新ビジュアルを公開した。
安藤忠雄氏とは近畿地方の海沿いにおいて、円形屋根と有機的な形状の水盤が特徴的なヴィラを、ヘルツォーク&ド・ムーロンとは沖縄において、ランドスケープそのものを強調し、鮮やかな空間体験をつくり出す1棟のヴィラを開発する。
NOT A HOTEL designed by 安藤忠雄
NOT A HOTEL designed by ヘルツォーク&ド・ムーロン
NOT A HOTEL YAKUSHIMA designed by Jean Nouvel
NOT A HOTELは、ただホテルを否定するのではなく、既成概念を見つめ直し、新しい常識をつくることを目指してきたという。これを「NOTは否定ではなく、進化」と表現している。
この考えをホテル以外にも当てはめて進化させるため、移動、住宅、街づくりに取り組む「NOT A GARAGE」「NOT A HOUSE」「NOT A CITY」を設立。中核となるNOT A HOTELの社名を「NOTA(ノタ)」へと変更した。
左から、NOT A HOUSE 代表取締役 CEO 申真衣氏、NOTA 代表取締役社長 Co-CEO 濵渦伸次氏、NOT A GARAGE 代表取締役 CEO 江藤大宗氏、NOT A CITY 代表取締役 CEO 大森みどり氏
NIGOデザインのプライベートジェットをシェア所有
移動領域のNOT A GARAGEは新たなモビリティとして、クリエイティブディレクターのNIGO氏が外観からキャビンまでクリエイティブディレクションを手掛けるGulfstream G500「NIGO JET」の販売を開始する。プライベートジェットを共同所有するプランで、運航・整備・乗員・保険などはNOT A GARAGEと運航会社が担い、オーナーはNOT A HOTELアプリから予約して利用できる。運航開始予定は2027年12月。所有期間は8年間を予定している。
外観にはマットカラーを採用し、キャビンにもその感性を反映。機体を目にする瞬間から、空の上で過ごす時間まで一貫した世界観を体験できる一機を目指している。
機内は3つのリビングエリア、ギャレー、化粧室を備え、Gulfstream社が実現した、仕事や会食、休息のすべてに適したキャビン環境としている。
成田空港を拠点に、国内・海外へのフライトに対応。航続距離は約9,800kmで、ロサンゼルスやシドニーへの直行にも対応する。最大運用速度はM0.925(約980km/h)、最大運用高度は51,000ft。Gulfstream G500は、日本をベースに運航する機体として初の導入となる。
NIGO JETではフライトだけでなく、自宅から空港への移動、搭乗手続き、機内での食事まで、プライベートジェットに付帯するサービスをNOT A GARAGEが手配する。
東京23区内の自宅から成田・羽田空港までは専用ハイヤーを用意。空港ではビジネスジェット専用施設で保安検査を行ない、国際線では出入国審査・税関・検疫(CIQ)も同施設内で行なう。手続き後は専用車で機体の横まで移動し、そのまま搭乗できる。
ヘリ・クルーザー・クルマが何度でも利用できるサブスク
NOT A GARAGEではNIGO JET販売のほか、ヘリコプター、クルーザー、クルマといった陸・海・空のモビリティを何度でも利用できるサブスクプラン「NOT A GARAGE CLUB」の提供を、10月5日に開始した。初期費用は1,590万円、月額管理費は19万8,000円。燃料代などは別途。
サービスは東京からスタート。東京ヘリポートを拠点に、KITAKARUIZAWA(北軽井沢/群馬県)やMINAKAMI(みなかみ/群馬県)など関東近郊のNOT A HOTELへ向かうヘリコプターを利用できるほか、東京や横浜のマリーナを拠点としたクルーザーも提供する。各地のNOT A HOTELでは、滞在時に利用できるクルマを展開する。
クルマは、NOT A HOTEL ISHIGAKI(石垣/沖縄県)、KYOTO(京都)、SETOUCHI(瀬戸内/広島県)などでも展開。例えば京都では、トヨタ センチュリーを用意し、センチュリーの認定ドライバーが京都を案内する。
目的地へ向かう移動から、滞在中のドライブ、海上で過ごす時間まで、陸・海・空のモビリティを通じて移動そのものを楽しむ新たな体験を提案する。
契約期間は5年間。初期募集口数は20口限定で、第1期は定員に達したため募集を終了している。
そのほか、NOT A GARAGEのパートナーで、NOTAの株主であるトヨタ・インベンション・パートナーズやトヨタ自動車との取り組みを通じて、モビリティの販売・運航にとどまらず、それらを受け入れるインフラの開発に着手する。
NOT A HOTELではこれまでも、クルーザーやヘリコプターのシェア販売などを手掛けており、関東や瀬戸内で9つのモビリティを導入している。販売に加えて、運航・管理を担う体制を構築し、サービス開始から1年の累計の契約高は24億3,000万円となっている。サブスクサービスは、導入済みの機体を活用したサービスとなる。
一方で、都心に近いエリアや観光地周辺でヘリ、ジェット、船などのモビリティを増やしていくうえでは、それらを受け入れるインフラやモビリティからモビリティへの乗り換えが大きな課題となる。インフラ整備などに取り組むことで、陸・海・空をつなぐ移動体験や移動と滞在が一体となった新たなサービスの実現を目指す。
NOT A HOTELがデザインする住宅プロダクト「POD」
住宅領域のNOT A HOUSEでは、NOT A HOTELが初めてデザインする住宅プロダクト「POD(ポッド)」の予約を10月5日に開始した。ワンルームのStudioタイプから3ベッドルームまでを取り揃え、販売価格は1棟6,980万円~。PODオーナーには、全国のNOT A HOTELを年間3泊できるオプションを月額16,500円で提供する。
NOT A HOTELでは建築やインテリアの美しさとともに、スマートホームの導入などによる快適さも一体でデザインしてきた。NOT A HOUSEでは、NOT A HOTELで培ってきたデザイン、テクノロジー、ホスピタリティを、「住宅の、次のスタンダード」として提案する。
外観は直線的なシルエットを基調とし、都市の街並みから自然豊かな環境まで、幅広くなじむデザインを採用。エクステリアには複数の素材を用意し、好みや建築する土地の環境に合わせて選択できる。
NOT A HOTELで使用しているスマートホームの仕組みをPODにも導入。スマートキー、自動調光、空調設定などをタブレットから操作できるほか、スマートフォンのアプリからもIoT機能へアクセスできる。
帝国ホテルプラザ跡地に「NOT A MUSEUM」
街づくりのNOT A CITYは、2024年3月に営業終了した帝国ホテルプラザ東京跡地において、カルチャーの複合空間「NOT A MUSEUM」を2027年夏に開業する。約4年間限定の暫定利用プロジェクトとなる。
帝国ホテルプラザ東京は、帝国ホテル東京タワー館の1階から4階で営業していた帝国ホテル直営の商業施設。建て替えに伴い解体を控えており、NOT A MUSEUMはこの約2,000坪を活用する。
アート、デザイン、音楽などのカルチャーを現在進行形で体験できる場所をつくるとしており、空間設計から、企画・プロデュース、運営まで、SKWAT(設計事務所 DAIKEI MILLSを中心に発足)とともに手がける。所在地は東京都千代田区内幸町一丁目1番1号。事業期間は2027年夏〜2031年3月。
なお、帝国ホテル東京タワー館の解体工事着工は、当初は2024年度中を計画していたが、2030年度末頃に延期された。
NOT A CITYは、三菱地所が東京・有楽町駅前の「有楽町ビル」「新有楽町ビル」跡地に整備する「YURAKUCHO PARK」にも携わっている。NOT A CITYが担うのは、日本カルチャーを世界に発信する拠点となることを目指すプロジェクト「JAPA VALLEY TOKYO」。アート・食・ファッションのポップアップストアや、多様な発信を行なうイベントスペースなどを開設するほか、KAWSとのコラボレーション作品を有楽町エリアの新たなシンボルとして展示する。
YURAKUCHO PARKは次の街づくりの準備期間に、来街者に「まちの進化を体験できる空間」を提供する取り組みで、NOT A MUSEUMと同様に新ビル建設までの期間限定となる。
NOT A CITYは今後、鉄道駅、マリーナ、ヘリポート、空港などの移動のハブを集め、そこに、宿泊、商業、飲食、エンターテイメント施設などの滞在体験を加えた拠点の整備を推進する。
NOT A HOTELは宮崎市青島において、エリア最大の宿泊施設閉館後の2022年に「NOT A HOTEL AOSHIMA」を開業し、その後の同地の地価上昇につなげたという実績を持つ。建物だけではなく街も含め、こうした地方や都市の余白に、NOT A HOTELやNOT A HOUSEを通じて新たな場をつくり、NOT A GARAGEのモビリティでそれらをつなぐといった街づくりを目指す。
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