日銀が3カ月ぶり利上げ、それでも「年末の日経平均株価8万円」予想を維持する根拠と"最大の注意点" | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

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坪井 裕豪 大和証券 チーフストラテジスト
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日銀は9月の金融政策決定会合で、3カ月ぶりに0.25%ポイントの追加利上げに踏み切った。もっとも、株式市場にとって本質的な論点は、利上げそのものではなく世界経済のソフトランディング(景気軟着陸)が維持されるかどうかにある。
7月会合から9月に至るまでの“狂騒曲”
日銀は6月の会合で政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げた後、7月の会合では据え置きを選択した。この時点で市場の関心は、「次は秋口か、年末か」という緩やかな時間軸にあった。
潮目が変わったのは夏場だ。7月下旬にドル円レートが一時163円台まで円安に振れ、7月末には日米共同とみられる円買い介入が実施された。円安を起点とする輸入物価の上昇は、企業物価が前年比7%台で高止まりする形で可視化されていった。
そこに海外要因が重なった。アメリカのベッセント財務長官は8月下旬以降、日本の財政拡張姿勢を繰り返し牽制し、9月初旬にかけては円安是正に向けた金融政策の対応を強く求める発言を続けた。
こうした発言を受け、市場では日米政策協調をめぐる思惑が広がり、日銀の次回利上げ時期への関心も高まっていった。国内でも、日銀審議委員から「一定のペースにとらわれず機動的に利上げを行う新たな局面」「現行の政策金利は1.0%で中立金利推計レンジの下限を下回る」といった発言が相次ぎ、追加利上げに向けた地ならしが進んだ。長期金利は7〜9月にかけて上昇基調をたどり、9月初旬には節目の3.0%に到達。政府の財政拡張をめぐる懸念も市場で根強く、需給面から金利上昇を後押ししたとみられる。
こうして「次は秋口か、年末か」と言われていた利上げは9月に前倒しされ、事前の報道によってほぼ織り込まれた。企業物価の高止まりと価格転嫁の広がり、賃金上昇の定着という国内要因だけでも、今回の判断は十分に説明可能なものと考えている。海外要因は利上げの理由ではなく、利上げのタイミングを前倒しさせた触媒と整理するのが妥当だろう。
市場が見ているのは金利よりも「軟着陸」
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坪井 裕豪 大和証券 チーフストラテジスト
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つぼい ゆうごYugo Tsuboi
2004年に大和証券入社。2009年から投資情報部にて、主に外国株式リサーチ業務を担当。米国株だけでなく香港やインドなど新興国銘柄の資料も執筆。2013年に大和証券キャピタルマーケッツアメリカ赴任。帰国後、エクイティ営業部を経て、2022年から投資情報部ストラテジー課課長。チーフストラテジストとして、日米株価見通し(ハウスビュー)を担当している。
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