プーチンが示す二重的な対日外交政策の本質、ロシアは日本との対話の窓口を閉じていない | キャリア・教育 | 東洋経済オンライン

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佐藤 優 作家・元外務省主任分析官
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10月1日、ロシアのプーチン大統領は第23回ヴァルダイ国際討論クラブ年次総会の質疑応答で、日本との関係について注目すべき発言をした。
笹川平和財団の畔蒜(あびる)泰助氏が資源、環境、科学、北極海航路などを念頭に、現在の政治的困難を克服した後の日ロ関係をどう考えるかと質問した。プーチン氏は将来の日ロ関係を「良好で善隣的で、具体的内容を伴ったもの」とみていると答えた。経済、環境、共同研究などを協力分野として挙げ、現在もロシアで活動する日本企業については、ロシア側は活動を妨害せず支援していると説明した。日本の政治指導層において、将来、両国の利益のために協力しようという考え方が優勢になることへの期待も示した。
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この発言を「ロシアが対日融和へ転換した」と読むのは早計だ。プーチン氏は同じ回答の中で、日本が対ロ制裁を導入したことを厳しく批判し、日本の「軍事化」やアジア太平洋地域における軍事・政治ブロックの形成にも警戒を示している。ロシア側の公式な論理は、日ロ関係の悪化はロシア側に原因はなく、日本政府が対ロ政策を変更したためだというものだ。この認識は変わっていない。
それでも今回の発言には意味がある。プーチン氏は日本政府への批判と、将来の日本との関係改善を明確に分けているからだ。制裁や安全保障政策については批判する。しかし日本そのものを恒久的な敵対国として固定してはいない。ロシア外交は政治、安全保障、経済など複数の回路を並行して維持する。今回の対日発言もその延長線上にあるとみるべきだ。
ロシア側の慎重な姿勢が表れている
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さとう まさるMasaru Sato
1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。
2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)
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