「iPhone Duo」に、なぜFace IDがないのか…2TBモデルでは57万4800円にもなる折り畳み式にアップルが込めた思想 | ビジネス | 東洋経済オンライン

INDEX
- ターナスがあらためて説明した「iPhoneの位置付け」
- すべてのiPhoneが一律に100ドル値上げ
- Face IDがない「iPhone Duo」、2TBモデルは57万4800円
- 「Siri AI」の日本語対応モデルは10月から利用可能に
「いや主役は私はじゃない。あの男だ」
9月9日午前10時(現地時間)、アップル本社の地下にある「Steve Jobs Theater」で始まった定例の発表会は、ティム・クックのこの一言で幕を開けた。
映画の名場面をオマージュしたオープニング映像なかで、9月1日付で会長に退いたクックが登場すると、「主役」と紹介されかけたところを制してカメラの奥にいる人物を指した。新CEOのジョン・ターナスである。
(本文中敬称略)
ターナスがあらためて説明した「iPhoneの位置付け」
ターナスは最初の10分を、製品紹介ではなくAppleブランドが提供する価値とは何かを確認することに使った。
例えばAI。個人向けデバイスでAIが役立つのは、予定や人間関係や日々の習慣といった個人のコンテキスト(背景情報)と結びついたときだ。個人のコンテキストを最も多く扱う製品が、AI時代におけるライフスタイルの中心になる。
ターナスは「多くの企業はパーソナルなデータをサーバー収集しようとし、私たちを”信頼してほしい”という。しかし、わたしたち(Apple)はパーソナルな情報のほとんどをオンデバイス、すなわち端末内で処理し、それでは不足する領域のみをPrivate Cloud Compute(アップルが運用する、外部からもアップル自身からも中身を見られない設計のサーバー)で補う」と強調する。
だからこそ、iPhoneこそが真に「インテリジェントなパーソナルハブ」なり得るのだ、という筋立てである。
実は、この言葉は2001年にスティーブ・ジョブズが掲げた「デジタルハブ」の系譜とも言える。デジタルハブ構想は、メディアのデジタル化が進みパソコンがそれらコンテンツを創り、管理、再生するデバイスとしてMacを中心に置き、その周囲にアップル製品を置く構想だった。
その後、デジタルハブ構想はiPhone中心のものへと形を変えていくが、アップルはAI時代におけるインテリジェンスの源をiPhoneに集める構想を明確にした。25年間ハードウェアを作ってきたターナスが初舞台で最初に語ったのは、AI時代において、アップルの作るハードウェアがどのようにあるべきかという、根本的な話だった。
すべてのiPhoneが一律に100ドル値上げ
そのターナスが最初に紹介した製品はiPhone 18 ProとPro Maxである。
↓ 現地リポートを動画でお届けしています。こちらも併せてご覧ください。
カメラはメインの48MPセンサーに、iPhoneで初めて機械式の可変絞りを載せた。f/1.48からf/4.0まで4段階で、明るさと被写界深度を操る。メインチップは2ナノプロセスの「A20 Pro」で、メモリをメインチップの真上に積層せず横に置くことで、放熱デバイスであるベイパーチャンバーの効率を高めた。持続性能は前世代比で最大40%増えており、一回のフル充電でのビデオ再生可能時間はProが36時間、Pro Maxが45時間だ。これまではモデムチップは外部設計のものを使用していたが、今回のモデルではアップルが設計した「C2」を採用する。
価格はアメリカで1199ドルと1299ドル。前世代からそれぞれ100ドルの値上げだ。
事前に流れていた「少なくとも100ドル、最大で300ドル」という予想の範囲の下限で着地した。ただし値上げはPro機だけではなかった。発表後のApple Storeでは、併売されているiPhone Air、iPhone 17、17e、16も100ドル値上げされている。
日本での価格は18 Proが21万9800円、Pro Maxが23万9800円。7月に円安対応で19万4800円になっていたiPhone 17 Proから2万5000円上がり、1年前の17万9800円からは4万円高くなる。
安の影響もあるが、ベース価格の上昇はメモリー調達コストの上昇によるものだ。
他の製品でも最新モデルが発表された。「Apple Watch Series 12」と「Ultra 4」は、3世代ぶりに新しいチップ「S11」を載せ、心拍を5秒ごとに、心拍変動を従来の24倍の頻度で計測するようになった。
その日の「準備度(Readiness)」を0から10の一つの数字で示す機能が加わったほか、15秒前からの会話を文字で思い出させてくれるAI機能も搭載される。Series 12には久々にセラミックケースが加わった。

左から「Apple Watch Series 12」「iPhone 18 Pro」「AirPods 5」(写真:筆者撮影)
アメリカでの価格はSeries 12が399ドル、Ultra 4が799ドルで、Ultra 4の日本価格は14万2800円と前世代から据え置かれている。
ワイヤレスイヤホンの「AirPods 5」は耳を塞がない形のまま、AirPods 4(ANC搭載版)比で最大50%多くのノイズキャンセリング能力を持つ。日本では2万3800円と2万7800円という価格だ。ノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスイヤホンとして、すでに日本で支配的なシェアを持っているAirPodsシリーズだが、その支配力はさらに決定的なものになりそうだ。
そして77分のプレゼンテーションの最後、ターナスは「もう一つある(One More Thing)」と切り出した。ジョブズが何度も口にしたあの言葉だ。
アップルが初めて投入する折り畳み式iPhoneにはいったいどのような思想が込められているのか。記事の続きでご覧いただけます。
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ほんだ まさかずMasakazu Honda
IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。
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