広大な国土、防衛に苦戦 フーシ派との「非対称戦」―サウジ
【図解】イエメン
【カイロ時事】イエメン内戦で暫定政権を支援するサウジアラビアに対し、敵対するイエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃が続いている。サウジは中東有数の軍事大国だが、日本の約6倍の広大な国土に分散する拠点の防衛に苦戦し、厳しい現実に直面している。
拠点都市空港に着弾 フーシ派攻撃、暫定政権側も反撃―イエメン
今月に入り、サウジの首都リヤドの空港や東部ダーランにある国有石油会社サウジアラムコ本社などが相次いでフーシ派の攻撃にさらされた。サウジの国土の広さや約1300キロにわたるイエメンとの国境の長さを理由に、多層的な防空システムを構築しても一部は突破されてしまうと指摘する声もある。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、サウジ当局者の話として、迎撃ミサイルの在庫が不足しつつあると伝えた。フーシ派は、比較的安価な無人機や巡航ミサイルを組み合わせて発射し、サウジの迎撃ミサイルを消耗させる戦術を取ってきたとみられている。
さらに、フーシ派は移動式発射台を分散配置するなどして攻撃を回避しているとされ、サウジ主導の有志連合がミサイル攻撃や空爆で決定的な打撃を加えるのは難しい状況だ。WSJは、サウジが軍事的対応を強化すれば、フーシ派との「非対称戦」にさらに深入りするリスクがあると警告する専門家の分析を伝えた。
サウジは「後ろ盾」のトランプ米政権に繰り返し軍事介入を求めたが、11月の中間選挙を控え、米側は慎重な姿勢を崩していない。8月にサウジと共同防衛協定を結んだトルコとパキスタンが今月5日、サウジへの部隊配備を決めたほか、エジプトも18日に軍事支援を決定したが、局面打開につながるかは見通せない。
それでも、サウジは多数の犠牲を伴う恐れのある、イエメンへの地上部隊派遣には慎重とみられている。WSJは関係筋の話として、サウジが外交を通じた紛争解決を模索する方向に傾きつつあると報じた。
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