[ITmedia News] 本物のパンをランプシェードに仕立てたアーティストが新たに手掛ける“おいしい香り”とその仕組み
著者
納富廉邦
[ITmedia]
「PAMPSHADE(パンプシェード)」は、アーティストのYukiko Moritaさんによる、パンを使ったアイテムのブランド。写真を見れば一目瞭然、パンをランプシェードにした製品から始まったから「パンプシェード」なのだけど、それだけにとどまらない製作姿勢と、生活雑貨とアート作品の境界を自在に行き来している軽やかさで、従来的な「ジャンル分け」を無効にして、ちょっと唯一無二の何かになっているような気がするのだ。
PAMPSHADE「バゲット BREAD LAMP (USBコードタイプ)」1万7600円。パンは、ランプシェード用に防腐防カビ加工され、内部までコーティングされた本物。提携先のパン屋から売れ残りのロスパンを買い取って使用している
もともとパンが好きで、パン屋で働いていたというYukiko Moritaさんが、パンの造形物としての美しさと、日々、捨てられる売れ残ったパンや、余り生地をどうにか救えないかというところから始めたという経緯も面白いのだけど、何より、その思い付きにものすごく忠実に作品や製品を作っている姿勢に、新鮮さと面白さを感じた。その辺りの詳しい背景については、Moritaさんのオフィシャルサイトの中のストーリーのページに詳しいので、興味ある方は参照してほしい。
PAMPSHADE「クロワッサン BREAD LAMP (電池タイプ)」1万1000円
当たり前だが、パンそのものを生活雑貨的な製品にするためには、カビや腐敗の対策を万全にしなければならない。単に、表面をコーティングするだけでは、長く使い続けることができないし、何より製品として不完全。パン自体をランプシェードにした製品は、実は結構売られていたりするのだけど、そのほとんどが、防カビ防腐対策が不完全なものが多く、そのせいで、パンプシェード・ブランドも迷惑をこうむっているらしい。
後述するアロマキャンドルもそうなのだけど、Moritaさんの面白いところは、そういう製品化に必要な化学的な処理や技術を、自分で勉強して開発しているところだ。もともと廃棄になるパンを買い取って製品や作品にするというコンセプトなのだから、パンを毀損するようなことはできないということなのだろう。9月上旬に開催されたバイヤー向け展示会「EXTRA PREVIEW #33」のブースでお話しを伺った時も、その防腐防カビ技術には、かなりの自信を持たれている印象だった。
ライトが点いていないと、もうランプシェードになっているとは分からない。また、パンごとの個性が、パン屋で見る以上に際立つのが面白い
製品として見た時、改めてパンという普段食べている製品も一点ものだよなあと再認識した。同じパン屋のバケットでも、当たり前だが焼き上がった形は1つずつ違う。さらに時間が経つと形も変わっていくのだから、パンを使ったランプシェードといえばシンプルな製品のようだが、むしろ剥製に近いのではないか。
パンの美しい一瞬を固定するための技術とセンス。それがパン屋さんとのコラボレーションにもなっているという、広がりがあるのがまた面白いのだ。
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