〈直言〉セールスフォース日本法人代表が明かすAI投資でROIを生む「4条件」…単なる技術の追いかけや要件定義は不要 | ビジネス | 東洋経済オンライン

SaaS企業の筆頭格であるセールスフォース。「SaaSの死」がささやかれる中、日本法人トップはAI脅威論についてどう考えているのか(編集部撮影)
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SaaS(Software as a Service、サース)企業の代表格として知られるセールスフォース。国内CRM(顧客関係管理)市場でも3割超のシェアを持ち、首位に立つ。2000年4月設立のセールスフォース日本法人は、約3500人(26年3月時点)の社員を抱え、25年度の年間売り上げは3000億円を超えている。
日系の上場企業を押さえ、国内最大のSaaS企業であるセールスフォース日本法人のかじ取りを担う小出伸一会長兼社長に、AI時代にあるべき日本企業の姿を聞いた(※取材は9月16日、少人数のラウンドテーブル形式で実施)。
AI時代に日本企業が抱える固有の課題
――米サンフランシスコで開かれたセールスフォースの年次イベント(9月15〜17日開催)では、日本から参加する顧客の幹部らとどのようなやり取りがあったのでしょうか?
イベントには私が担当する日本・韓国・台湾地域から、900名超の顧客が来場している。各企業のCxO(チーフオフィサー)レベルのエグゼクティブと交わした議論では、単なるAI製品や技術の解説ではなく、経営・組織変革に踏み込んだテーマが中心となった。
いちばん大きな問題意識は、AIに投資した結果として具体的なROI(投資対効果)をいかに創出するかというもの。自社がAIネイティブであることをアピールする段階はすでに終わった。われわれのユーザーは、従来のAIプロダクトへの興味やパイロット(試用)運用、ユースケースの蓄積といった段階を超え、実効性を重視する次のステージに入っている。

小出伸一(こいで・しんいち)/1958年福島県生まれ。日本IBM、旧日本テレコム、日本ヒューレットパッカードなどの要職を経て、2014年セールスフォース入社。16年11月より現職。日本市場に加え18年より韓国、
そこでセールスフォースが提唱しているのが、「4つのR」のプロセスを組織内で回し続けることだ。
人間が担う高付加価値な業務とAIに任せる業務を見極め、組織や販売モデルを再設計する「Redesign(リデザイン)」。人間をより創造的な業務へシフトさせるためのリスキリングと、AIエージェントに必要なスキル定義を行う「Reskilling(リスキリング)」。スキルセットに基づき、適切なタイミングで人やAIを現場へ再配置する「Redeployment(リディプロイメント、再配置)」。そして得られた結果を評価し、プロセス全体を継続的に再調整・循環させる「Rebalance(リバランス)」から成る。
これら4つのRを実践することにより、企業は外部のテクノロジーを追いかける受け身の姿勢を捨て、自社の業務・組織構造そのものを変革することができる。
(編集注)セールスフォース自身もグローバルで業務全体の約8割を占める手作業や定型的な業務をAIエージェントに自動化させ、業務の再設計を進めている。最新のデータでは、過去12カ月間で約9万いる社員のうち約2万人が12カ月前には存在しなかった役割に就いており、AIエージェントの運用管理チーム、マルチシステムオーケストレーター、倫理的AIデザイナー、プロンプトエンジニアといった新しい職種が生まれている。
――日本企業におけるAI活用の最大のボトルネックは何でしょうか?
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にかいどう りょうまRyoma Nikaido
2008年東洋経済新報社入社。産業担当や週刊東洋経済編集部の大型特集を歴任。20〜21年に会社を休職して、アメリカに留学(フルブライト奨学生)。帰国後は再び週刊東洋経済編集部に所属した後、解説部でアメリカの政治経済やテック情勢を担当。24年7月から3度目の週刊東洋経済編集部所属。直近では「上場企業クライシス」「半導体 異変」「進撃のアクセンチュア」などを取りまとめた。
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