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Wednesday, November 4, 2026

[ITmedia News] なぜCookie同意バナーの「拒否」ボタンは見つからないのか 1万4000サイト調査で見えた“同意させる”手口

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著者 山下(Seamless) 山下(Seamless)

[ITmedia]

Innovative Tech:

2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2

 韓国の成均館大学に所属する研究者らが発表した論文「When the Abyss Looks Back: Unveiling Evolving Dark Patterns in Cookie Consent Banners」は、WebサイトのCookie(クッキー)同意バナーにおけるダークパターンの実態を調査した研究報告だ。

 多くのWebサイトがクッキー同意バナーを導入しているが、ダークパターンを駆使してユーザーを同意へと誘導するサイトが後を絶たない。

 研究チームは、クッキーに関するダークパターンを自動検出するシステム「UMBRA」を開発し、その実態を調査した。従来のツールが主に画面の見た目などの静的なインタフェース特性を分析対象としていたのに対し、UMBRAは多言語のテキスト解析、視覚的な判定、ボタン操作の追跡、裏側で設定されるクッキーの監視などを組み合わせることで、深いところまで調査できる。

 実験では、先行研究で知られる10種類に、新たに定義した「進化型」9種類を加えた計19種類を検出対象とし、世界1万4000サイト(世界の人気上位1万サイト、EU圏2000サイト、米国2000サイト)を調査した(このうち同意バナーを検出できたのは1960サイトで、以下の割合はいずれもこれに占める割合)。

 その結果、次のような手口が浮き彫りになった。同意は1クリックで済むのに、拒否するには設定画面を開いて項目をオフにして保存するなど何度もクリックさせ、面倒さで同意へ誘導する手口(DP19)は57~63%存在し、同意を撤回する手段が見当たらないもの(DP14)は40~54%、撤回手段はあってもいつでも撤回できる旨の表示がない、手順が多いなど撤回が容易でないもの(DP15)は38~57%あった。

同意の撤回が困難な実例(DP15)

 さらに、クッキーを拒否してサイトを閲覧するのに料金の支払いを求めるもの(DP13)が3~8%。バナーで同意も拒否もしていないうちに、ページを開いただけで第三者クッキーなどが設定されてしまう手口(DP16)は44~83%(EU 44%、米国83%、上位1万サイト68%)、拒否を選んでもクッキーが設定され続ける見せかけの拒否(DP18)も23~25%で見られた。

クッキーの拒否に金銭を要求する実例

EU圏、米国、世界人気上位の対象サイトにおける各ダークパターンの出現率

 研究チームは、こうしたダークパターンがセキュリティ上のリスクを高め得ることも指摘している。ダークパターンの有無にかかわらず、調査で収集したクッキー全体の80%はセキュリティ設定が不十分で、サイトがクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を受けた場合に、クッキーに記録された識別情報などを盗み取られる恐れがある状態だった。

Source and Image Credits: Singh, Nivedita, Seyoung Jin, and Hyoungshick Kim. “When the Abyss Looks Back: Unveiling Evolving Dark Patterns in Cookie Consent Banners.” arXiv preprint arXiv:2603.21515 (2026).

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Innovative Tech

2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。

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2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。

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