〈国内1万店へ〉超円安でも「100円ショップ」が絶好調を維持する凄み "シールブーム"追い風に…原価高かわし最高益も | ビジネス | 東洋経済オンライン

円安の逆風下でも新規出店を続け100円ショップ各社。採算維持の裏に、どんな戦略があるのか(上写真:今井康一、中央写真:永谷正樹、下写真:尾形文繁撮影)
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「デフレの寵児」と言われたあの業態が、逆風下でも踏ん張りを見せている。
9月7日に発表されたセリアの既存店売上高は、客数・客単価がともに大幅に伸びて前年同月比9.7%増だった。2027年3月期に入ってからの5カ月(4~8月)累計でも、既存店売上高は前年同期比11%増と絶好調。8月上旬に発表した第1四半期決算は大幅な増収増益で、会社側は通期予想を早々に上方修正した。売上高2761億円(前期比8.0%増)、営業利益221億円(同5.4%増)と、いずれも過去最高を見込む。
「巣ごもり特需で伸びた20年度(21年3月期)でも月次の売上高の伸びは5%程度だったが、(今期は)これまでにない伸びを記録している」。セリアの河合映治社長は、そう驚きをあらわにする。
空前のシールブームで客単価押し上げ
100円ショップで快進撃を続けるのは、業界2位のセリアだけではない。3位のキャンドゥ、4位のワッツも、この1年近く既存店売上高が前年同月を上回り続け、通期でも増収増益となる見通しだ(キャンドゥは27年2月期、ワッツは26年8月期)。業界首位の大創産業は非上場だが、前26年2月期の連結売上高は7710億円と過去最高を記録している。
なぜここまで100円ショップが軒並み好調なのか。理由の1つは、インフレにより物価が上がり続ける中で、消費者の節約意識が強まっていることだ。100円ショップは食品・飲料のほか、文房具や日用雑貨、電化製品まで幅広く取り扱う。節約や少量購入といった目的を満たす品ぞろえで、老若男女問わず強い支持を得ている。
さらに昨年以降、各社が販売を伸ばしている商品がシールだ。

セリアのシール売り場(撮影:永谷正樹)
昨今、空前の”シールブーム”が起きている。シール帳に貼って収集したり、友人間で交換してスケジュール帳をデコレーションしたりと、用途はさまざまだ。100円ショップでは、キャラクターもののほか、立体仕様などデザイン性にこだわったものを取りそろえている。100円というお手ごろさや、デコレーションに使えるクラフト材料なども販売していることから、子どもや学生らの需要を獲得。また、日用品などを求めて来店した顧客が「ついで買い」するケースもあり、客単価の押し上げにも貢献している。
シールは100円ショップにとって、扱いやすい商材でもある。大量に仕入れてもかさばりにくく、サイズも大きくないため、売り場ではさまざまな種類のシールを豊富に陳列できる。在庫切れを起こさないよう、事前に大量にストックしておくことも可能だ。
100円ショップが扱う商品の中では仕入れ原価が低く、粗利率の改善にも一役買っている。手芸品といった趣味商材を手厚く取り扱うセリアでは、シールを筆頭とする低原価商品の比率が高まったことで、今期第1四半期時点での粗利率が41.7%と、前年同期比で0.4ポイント改善している。
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いのうえ さやSaya Inoue
自動車業界を担当後、現在は専門店やアパレルなど小売業界を担当。大学時代は写真部に所属。趣味は漫画を読むこと、映画のサントラを聴くこと。
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