【直撃】「"骨太ショック"は因果関係を単純化しすぎている」 キーマン・城内実大臣が語るサナエノミクスの核心(後編) | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

INDEX
「骨太の方針2026」の原案では、「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要である」と記され、「財政健全化」に代わって「財政の持続可能性」が前面に出た。市場では財政規律の緩みや日銀への利上げ牽制を疑う見方も広がり、円安と長期金利上昇を「骨太ショック」と呼ぶ向きもあった。高市政権は市場とどう向き合うのか。城内実・経済財政政策担当相にずばり聞いた。(前編はこちら)
――「骨太ショック」をどう捉えていますか。
「骨太ショック」という呼び方自体、因果関係を単純化しすぎていると思う。長期金利や為替は、国内外の金利、インフレ期待、国債需給、地政学上のリスクなど、多くの要因で動く。骨太方針の文言だけで市場変動を説明するのは適切ではない。
もっとも改革を仕掛ければ、それによって困る人もいる。そういう人にとっては「骨太ショック」なのだと、あるエコノミストが述べていた。
残念ながら、総理や財務相の言葉を切り取り、真意とは違うメッセージを広めることによって市場を揺さぶろうとする人もいる。刻々と変わる相場の中で、切った張ったの大勝負をするのがそういう人たちのビジネスだから、それは仕方がない。
一方で、原案の意図が十分に伝わらず、「財政規律を放棄した」「日銀の利上げを牽制した」と受け止められた面があったことは、政府として重く受け止めなければならない。
だからこそ、政府側はファクトベースで政策の全体像を説明する必要がある。市場との対話をしっかり行い、政策の考え方を透明性高く一貫して説明することが大切だ。
日銀との関係も同じで、日銀の自主性を尊重しつつ、政府と日銀が十分な意思疎通を図り、それぞれの役割を果たしていく必要がある。

城内 実(きうち・みのる)/1965年、東京都生まれ。東京大学教養学部国際関係論分科卒業後、外務省に入省。2003年の衆院選で初当選し、現在8期目。静岡7区選出。外務副大臣、自民党経済産業部会長などを経て、24年に内閣府特命担当相(経済安全保障)として初入閣。25年10月から現職(撮影:尾形文繁)
――骨太方針については、「市場が原案の修正を迫った」とも報じられました。
原案が公表されれば、いろいろな人がいろいろな立場からコメントをする。当然のことだ。最終的な骨太方針は、そうした意見も踏まえて政府・与党内で議論して、閣議決定したものだ。「市場に迫られて政策を転換した」ということではない。
むしろ、原案の意図をより明確に伝える表現に整えたと理解している。ただ、「骨太ショック」という言葉には、少しマッチポンプ的な感じもした。
「プライマリーバランス一本足打法」から転換
――第2次改造内閣発足時の総理からの指示書にも、「責任ある積極財政に対する市場の信認を確保していくため、透明性高く一貫した説明をする」とありますね。
この記事は有料会員限定です
残り 2965文字
各タグのフォローボタンをクリックしフォローすると、関連する新着記事をメールで受け取ることができます
関連記事
本文の内容に基づいた記事をピックアップしています
フォローすると、最新記事をメールでお知らせします。
とこい けんいちKenichi Tokoi
1979年、茨城県生まれ。ライブドア、朝日新聞出版を経て、オーストラリアに留学。帰国後、フリーランスに。小泉純一郎元首相ら政治家の独占告白を多数手がけ、代表作『無敗の男』が大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補になった。文化放送「長野智子アップデート」レギュラー解説者。日本文藝家協会会員
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.