[ITmedia News] ゲームや推し活から導き出す希望条件、7人に6人が内々定でも「自分が納得する進路へ」 就活リサーチ
秋は大学4年生が卒業後の進路を固め、3年生が夏のインターンシップなどで得た経験を次の活動につなげる時期だ。周囲より早く就活を終えることではなく、自分が納得して進路を決められるかどうかが何より大切になる。
むやみに焦る必要はない
2027年卒業予定の4年生らを対象にした調査では7月1日時点で、およそ7人に6人が内々定を得ていた。一方、内々定を得た人も含めて就活を続けている学生は約3割に上った。文系は3割超、理系は約2割が継続中と回答した。内々定後も視野を広げて新たな企業を探す人もいて、9月時点でも一人一人、状況が違う。
就活を巡る学生の状況をまとめたグラフィック(グラフィック・菅原彩加)
就職先を決めた人は、求人情報や選考時の説明と、企業が内々定後に示した労働条件に食い違いがないかをチェックすることも大切だ。「なぜその会社で働きたいのか」「自分が大切にしたいことと社風や仕事内容が合っているか」を自分の言葉で説明できるようになるのが理想的といえる。
いまだ就活継続中という人も、むやみに焦る必要はない。ただ、同じ探し方を繰り返しても選択肢は広がらない。業界や職種、企業規模、勤務地などのうち、どれなら譲歩ができるのかを柔軟に考えてみるなど改めて整理したい。大学のキャリアセンターなどで相談するのも一つの方法だ。
出発点は仕事への興味
3年生はインターンシップなどへの参加社数を成果と考えるのではなく、そこで得た知識や、さらに関心が高まった点を振り返りたい。キャリタス(東京都文京区)の7月の調査では、応募先のインターンシップなどの形態は、9割近くが1日以内のプログラムで、応募した社数は平均7.8社だった。応募する前に確認する項目を調べたところ、「事業内容」が最も多く、次いで「入社後の待遇」、「年間休日・ワークライフバランス」の順となった。
待遇の確認も大事だが、就活の出発点は仕事への興味だ。参加前のイメージと違ったことや自分に合うと感じた理由を書き留めておけば、今後の会社選びの軸を整理する材料になる。
夏のプログラムに参加できなかった人も出遅れたと考える必要はない。秋冬に向け、採用サイトなどで情報を集めることから始めるとよい。
保護者は無理に就活の状況を聞き出さず、本人が話したいタイミングを尊重したい。結果だけではなく「どこに魅力を感じたか」「何を確かめて判断したか」という過程を尋ねてみると、わが子が進路を選ぶ判断軸が見えてくるだろう。
就活に全員共通の正解はない。4年生は納得感、3年生は興味の深掘り、保護者は見守る姿勢で実りある秋にしてほしい。(キャリタスリサーチ 吉田治)
行動する積極層と迷う消極層
就職活動の早期化が進む中、学生の動きは「積極層」と「消極層」への二極化が一段と鮮明になっている。東洋学園大学(東京都文京区)は9月9日に開催したイベントで、現代の就活が抱える課題と、迷える学生を後押しする実践的な取り組みを示した。
東洋学園大学のキャリアセンター。就職活動にまつわる資料がずらりと並ぶ(竹中文撮影)
同大キャリアセンターの調査によると、3年生の6割が6月下旬〜7月初旬の時点でインターンシップなどにエントリーしておらず、約3分の2が志望業界や職種を定めかねていた。同センターの佐藤行央部長は「積極層が不安を糧に行動する一方、何から始めるべきか迷って動き出せない消極層も少なくない」と現場の実態を語る。
こうした消極層を動かす鍵は、いきなり「やりたい仕事」を問わないことにある。同センターでは、ゲームや「推し活」といった日常で続けたい関心事を聞き出し、そこから就職先の希望条件を導き出していく手法をとる。
佐藤部長は「なかなか動き出せない学生も、面接通過などの成功体験や社会での評価を得ることで、自ら動けるようになる」と強調する。就活の早期化にのまれないためにも、大学側には最初の一歩を支える「失敗を恐れさせないような接点づくり」が欠かせない。(竹中文)
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