ダイヤル式黒電話をスマホと同じようにどこでも通話可能にする試み
ダイヤル式黒電話は昭和期には一般的な家庭なら普通に存在したものの今や見かけることも稀であり、往時を知るものにノスタルジーを感じさせるアイテムです。RotaryCellプロジェクトはそんな過去の遺物ともいえる黒電話を、改造なしでバッテリー駆動の携帯電話として使用できるようにする試みです。
fregacmols/RotaryCell: A portable, battery-powered cellular conversion for classic rotary telephones—fully reversible, with no modification to the original phone.
https://github.com/fregacmols/RotaryCell
RotaryCellの興味深い点は、元の電話機の受話器・ダイヤル・スイッチフック・機械式呼び出しベル・ネットワークブロック・既存のジャックはそのまま活かしつつ、内部に取り外し可能な電子部品を後付けするところです。元の電話機の部品に穴を開けたり切断したする必要がないので、オリジナルの状態を一切損なわずに機能を追加できます。試作機は固定電話回線から離れて持ち運び・操作が可能であり、会議やデモンストレーションはもちろん携帯電話サービスが利用可能な場所であればどこでも黒電話を使用することができます。
記事作成時点の開発状況は手配線により実動するプロトタイプが完成しており、詳細な配線図や部品リストは公開されています。より洗練された実装のために部品内蔵基板の設計・製造も進行中とのこと。システム構成はESP32-S3コントローラー・セルラーモデム・バッテリー充電機能を備えた「LilyGO T-A7670G-S3 Standard」ボードを中核とし、電話回線インターフェースとして採用した「Silvertel AG1171」がオリジナルの機械式呼び出しベルを鳴動させます。オーディオ処理やリセット回路には専用のプリント基板を使用し、電源用の21700リチウムイオンセルをLilyGOボードのバッテリーパッドに接続します。
RotaryCellの主な機能は以下の通りです。
・ダイヤルによる発信
・スイッチフックの検出
・携帯電話網を利用した通話(発信・着信)
・機械式ベルによる呼び出し
・受話器を通じた双方向の音声通信
・バッテリー監視
・USB経由での診断
・メンテナンス用Wi-Fiダッシュボード
・ATコマンドターミナル
・時計同期
・Over-The-Air(OTA)アップデート
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