[ITmedia News] AIが出力した「実在しない判例」を書籍に掲載→回収・絶版へ 琉球大教授が謝罪「研究者としてあるまじき失態」
著者
梅林日奈子
[ITmedia]
出版社の高文研(東京都千代田区)は10月10日、書籍「無責任の体系と沖縄戦」の回収・絶版を巡り、著者で琉球大学教授の島袋純氏による経緯の説明と謝罪の文書を公開した。同書には、生成AIが出力した実在しない判例3件が、確認されないまま掲載されていたという。同社は9月24日に同書の回収・絶版を発表していた。
問題となったのは、同書147~149ページで紹介された「沖縄戦におけるスパイ容疑住民虐殺に関する国際裁判の判例」3件。指摘を受けて確認したところ、いずれも実在しないことが分かった。
島袋氏によると、これらの架空の事例は、スタンフォード大学図書館の国際犯罪裁判記録データベースのURLを生成AIに読み込ませ、沖縄で日本軍が住民を殺害した事例を示すよう指示した結果、出力されたものだという。同氏は、「出てきた英文の判例について、データベースから引き出してきたものだと思い込み、採用してしまった」と説明した。当初は授業資料として使い、その後、精査しないまま著書にも転用したとしている。
また、卒業生を含む受講生には、誤りを伝えて謝罪するメールを送るよう学部に依頼したという。AIを利用して書いた他の箇所についても精査を進めており、誤りが判明すれば改めて公表するとしている。
高文研は今後、AIを使用した原稿に限らず校正・校閲の徹底を図る方針だ。個人の購入者には返金に応じるとし、氏名や連絡先を記したメモを同封した上で、書籍を着払いで同社に送るよう案内している。
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