[ITmedia ビジネスオンライン] 「管理職になんてなりたくない!」って本当? そのワケと「なりたくなる組織」の作り方
管理職は本当に「なりたくない仕事」なのか。リクルートマネジメントソリューションズ(以下、リクルートMS)の調査によると、管理職になりたい一般社員は18.1%にとどまった。一方、現職の管理職の58.5%は「今後も続けたい」と回答した。
リクルートMS研究本部 研究主幹 兼 組織行動研究所マネジャーの入江崇介氏は、世間一般では管理職の「疲弊感」や「自信、将来展望の持ちにくさ」ばかりに焦点が当たりがちだと指摘する。当事者が日々感じている仕事のやりがいや成長実感には、目が向けられていない可能性があるという。
しかし同社の調査では、やりがいを感じつつも、仕事を1人で抱え込んで疲弊している管理職の実態も浮き彫りになった。こうした状況を変え、持続可能なマネジメントを実現するには、人事や職場のメンバーに何ができるのか。
本記事はリクルートマネジメントソリューションズが開催したメディア共有会「管理職は本当に“なりたくない仕事”なのか? ~データで見る管理職の実像と、持続可能なマネジメントの条件~」の内容を再構成したものです。
管理職は本当に「なりたくない仕事」なのか(出所:ゲッティイメージズ)
外から見えにくい「管理職のやりがい」
リクルートMSが実施した調査によると、一般社員において「管理職になりたい」「どちらかといえばなりたい」と答えた割合は、合わせて18.1%にとどまった。一方、現職の管理職で「今後も続けたい」「どちらかといえば続けたい」と回答した割合は58.5%に達し、組織で管理職として働くことへの満足度も56.9%が肯定的な回答を寄せた。
管理職の継続意向(提供:リクルートマネジメントソリューションズ、以下同)
では、管理職は仕事のどこにやりがいを感じているのか。「部下の適性を見極めて仕事を割り当てる」「部下の優れた点や努力を積極的に褒める」といった、育成や関係構築に関わる行動について、いずれも半数以上の管理職が「やりがいを感じる」と回答した。
ただし「心身も気持ちも疲れ果てたと思うことがある」「心にゆとりがなくなったと感じることがある」といった疲弊を示す項目にも、それぞれ半数以上が「当てはまる」または「やや当てはまる」と答えた。
育てたいのに時間がない 管理職が抜け出せない「負のループ」
なぜ、管理職は疲弊してしまうのか。調査によると、管理職自身が重要だと考える役割、人事が管理職に期待する役割のいずれも、トップは「メンバーの育成」だった。一方、管理職が日々の業務で最も難しいと感じていることも「メンバーの育成・能力開発」だった。
その背景にあるのが、育成に時間を割けないことだ。日々の業務に占めるマネジメント業務の比率が50%以下の管理職は66.8%に上る。多くの管理職がプレイングマネジャーとして、現場業務を抱えている。
プレイヤー業務を自ら担う理由は「メンバーに知識・スキルが不足しており仕事を一任できない」(35.5%)、「メンバーに時間的な余裕がなく仕事を一任できない」(32.4%)が上位を占めた。
管理職が多忙で育成に時間を割けないため、メンバーが育たず、仕事を任せられない。その結果、管理職がさらに現場業務を抱える――。入江氏はこうした「負のループ」に陥っている職場が少なくないと指摘する。単に「もっと部下に権限移譲せよ」と促すだけでは、現場のスキル不足や人員不足といった根本的な課題は解決できない。
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