期待のペロブスカイト太陽電池、積水化学の開発者が語る商用化の道筋、「2030年度以降大規模生産し、ビジネスとして自立」 | ビジネス | 東洋経済オンライン

INDEX
積水ソーラーフィルムの森田健晴・エグゼクティブフェローは、積水化学グループでペロブスカイト太陽電池の技術開発のリーダーを務めてきた。2025年1月に設立された積水ソーラーフィルムは現在、次世代発電技術として期待されるペロブスカイト太陽電池のうち、フィルム型と呼ばれる技術の実用化において日本の産業界の先頭を走っている。森田氏に事業化の展望や乗り越えるべき課題についてインタビューした。
──ペロブスカイト太陽電池は、日本発の次世代発電技術として大きな期待を集めています。実用化に向けた取り組みはどこまで進んでいますか。
当社では1メートル幅のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を製作し、すでに体育館の屋根やビルの外壁、空港の滑走路脇などさまざまな場所での実証試験が本格化している。今年3月には販売も開始した。滋賀県立八幡工業高校の体育館の屋根に設置した例を皮切りに、福岡市の小中学校の体育館の屋根や、東京都の晴海客船ターミナルにも導入されている。
──生産体制の整備の状況は。
当社は2025年度に、世界初となる1メートル幅での連続生産技術(ロール・トゥー・ロール方式)を確立した。現在、年間100メガワットの生産能力の構築に向けて、シャープから取得した大阪府堺市の工場で設備投資を進めている。
機械装置の導入はほぼ完了し、27年度から100メガワット規模での量産を開始する。その後は需要創出の動向を見極めながら、30年度以降1ギガワット(=1000メガワット)規模への拡大を目指す。取得した工場の5階建てのフロアすべてを活用すれば、1ギガワットの生産に対応できる。
1ギガワットの量産体制で自立化へ
──1ギガワットの量産はどういう意味を持っているのでしょうか。
1ギガワットの量産体制を実現した段階で、製品単価および設置・施工コスト、将来のメンテナンスやリサイクル・廃棄費用もすべて含めたトータルのシステムコストにおいて、現在主流であるシリコン型太陽電池と十分に競合できるレベルに持って行きたい。
そうなれば国からの補助金は必要とせずに、海外展開も含めたビジネスとしても自立できる。

森田健晴(もりた・たけはる) 1992年積水化学工業入社。高機能プラスチックスカンパニー機能樹脂事業部開発主幹、NEDO新エネルギー部太陽電池グループ出向などを経て、2013年に積水化学工業・フィルム型ペロブスカイト太陽電池の研究開発プロジェクトヘッド。25年に積水ソーラーフィルム取締役開発部長。26年度から同社エグゼクティブフェロー。日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会(JPSC)の専務理事を務める(撮影:尾形文繫)
──1ギガワットに到達するうえでのハードルは?
記事の続きでは、ペロブスカイト太陽電池の強みと課題、中国企業に対する勝算などについてお読みいただけます。
この記事は有料会員限定です
残り 1834文字
各タグのフォローボタンをクリックしフォローすると、関連する新着記事をメールで受け取ることができます
3 記事
関連記事
本文の内容に基づいた記事をピックアップしています
フォローすると、最新記事をメールでお知らせします。
おかだ ひろゆきHiroyuki Okada
1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、報道部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.