数日かかる他社調査を無料AIで30分に短縮し有報を読み比べ会議資料まで作成、サステナビリティ担当者のAI活用術② | ビジネス | 東洋経済オンライン

AIを活用すれば、他社の有価証券報告書に掲載された情報をまとめることも簡単にできる(写真:callcharlie /PIXTA)
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サステナビリティ担当者こそAIを使いこなそう。約20年間にわたり企業のサステナビリティレポート制作や外部評価への対応に携わった加美山秀彦氏がサステナ関連業務でのAI活用テクニックをご紹介する。初めてサステナビリティ部署に配属になったり、これからサステナビリティ部署を作ろうという企業の方にぜひお読みいただきたい。
2回目は、多くのサステナビリティ担当者がよく行う他社動向の調べ方について解説する。
【配信予定】
③社内に埋もれた自社の受賞実績をDeep Researchで社外から拾い出す(10月14日)
【アンケート実施】サステナビリティ担当者の方などに主にサステナビリティ業務でのAI活用についてご意見を募集します。内容によっては筆者から回答させていただきます。詳しくはこちらをご覧ください。
他社はどこまで開示しているかを知りたいときに
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「サステナビリティのこの分野で、他社はどこまで開示しているのか?」
サステナビリティの担当になると、上司などからよく受ける質問だ。役員会の前日に担当取締役から急に聞かれることもある。
すぐに答えようとしても止まってしまうことが多い。業界で定期的に開かれる勉強会で聞くこともできるが、開催がすぐにあるとは限らない。外部の専門家に聞くと数日以上の時間と費用がかかる。こうしたときこそAIを活用しよう。
例えば、「新しい開示基準であるSSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準に準拠して開示した企業を調べることになった」としよう。この種の調べものには終わりがない。かけた時間に成果が比例しないまま、期限だけが迫ることも少なくない。
それが無料AIを使えば、他社の有価証券報告書を入手し、内容を読み比べ、会議資料にまとめるまで30分弱で終わる。筆者が実際に調査した結果、SSBJ基準に準拠したと表明している会社は、「2026年9月1日時点で2社だけ」とわかった。
筆者は、サステナビリティレポート制作や外部評価への対応を約20年支援してきた。現在も複数社のアドバイザーを務めている。この1年、実務で生成AIを使って、いちばん手応えを感じているのが、この「他社調査」だった。
手順は前回同様、「調べる」「疑う」「確かめる」の3つだ。ウェブを広く探す場面と、手元の資料を分析する場面では、向いているAIが異なるため、2つの道具を使い分ける。
①調べる
まず、前回と同じく無料で使えるGeminiに聞いた。
今期の有価証券報告書で、サステナビリティ開示基準への準拠を表明した企業はどこか。出典URL付きで教えてほしい
少し待つと答えが返ってくる。回答には「キリンホールディングス」とあった。再確認として「他には1社もないのか」と聞き直すと、キリンホールディングスとみずほフィナンシャルグループの2社になった。それぞれの有価証券報告書の提出日と決算期まで示されていた(下図参照)。
さらにAIは、頼んでいない補足情報まで加えてきた。基準のすべての定めに準拠している場合にのみ「準拠」と表明でき、一部を参考にしただけの会社は「準拠」とは書けない、という区別だ。
準拠と言及を混同すると、実際は行っていない会社を含む可能性がある。基準を作ったSSBJも26年5月、「すべての定めに準拠していない場合に、準拠しているかのような誤解を招く表現は適切でない」と注意喚起している。
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社内に埋もれた自社の受賞実績をDeep Researchで社外から拾い出す、サステナビリティ担当者のAI活用術③
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かみやま ひでひこHidehiko Kamiyama
サステナビリティアドバイザー。NTTアドで約28年、企業のコーポレートコミュニケーション業務に従事。サステナビリティレポートの企画・編集や外部評価対応の支援を、NTTグループ内外の企業に20年にわたり担当。支援先の評価向上に携わる。2025年に定年退職後、独立。現在も複数企業の外部評価対応を支援している。
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