「ほぼ何もない」ことで有名なexample.comが大幅リニューアル、6言語対応で「テストや監視に使わないで」と注意
ウェブサイトの説明やプログラムのサンプルでおなじみの「example.com」が2026年9月28日に大幅なリニューアルを受けました。長年ほぼ変わらない簡素なページとして知られてきたexample.comですが、新たに複数言語への対応やアイコンが追加され、IANAは変更の背景について「通信量を抑えつつページの有用性を高めるため」と説明しています。
Example Domain
https://example.com/
Example Domains
https://www.iana.org/help/example-domains
Example.com Just Launched The Biggest Redesign In Decades | DebugBear
https://www.debugbear.com/blog/example-dot-com-redesign-history
インターネット上で説明用のURLが必要になった際に実在する第三者のドメインをうっかり指定してしまう問題を避けるため、IETFが1999年に公開したRFC 2606で「example.com」「example.net」「example.org」などが例示用として予約されています。管理を担当するInternet Assigned Numbers Authority(IANA)によるとexample.comは自由に説明資料などへ記載可能とのこと。
example.com自体は1990年代に作成されたドメインで、アクセスすると長年にわたって「ドキュメントの例として利用できるドメインです」といった短い説明が表示されてきました。ページの役割が説明文を掲示するだけなので、ウェブ上でも屈指のシンプルなサイトとして扱われています。
歴代のexample.comはWayback Machineで確認可能。例えば下図は2002年1月時点のexample.comの様子。「『.com』『.net』『.org』では様々なドメイン名が予約されています」と案内が出ているほか、さまざまな予約済みの名前の具体例が登場しています。
2013年には現在につながるシンプルなページへリニューアルされ、その後も文言やデザインの細かな変更が続きました。2025年には業務での利用を避けるよう促す注意書きも追加されています。
2026年9月28日の更新ではJavaScriptを使って英語・アラビア語・中国語・フランス語・ロシア語・スペイン語の説明文を5秒ごとに切り替える仕組みが追加されました。文字列を一気に入れ替えるのではなく、各文字を個別の要素として扱い、表示タイミングを少しずつずらすことで滑らかに言語が切り替わるアニメーションも実装されていたとのこと。
ただし、数日後の10月3日にはアニメーションが取り除かれ、各言語の説明文を最初からまとめて表示する構成へ変更されています。
多言語化などでページの情報量が増える一方、IANAはexample.com特有の大量の通信にも配慮しています。IANAによるとexample.comには非常に多くのアクセスがあり、特に自動化されたプログラムから大量の通信が発生しているとのこと。そこで基本的なページ本体を小さく保ち、追加内容を別のJavaScriptファイルへ分離する構成を採用しました。自動アクセスの多くはJavaScriptファイルまで取得しないため、サーバーから送信するデータ量を抑えられるとIANAは説明しています。
example.comにアクセスが発生する理由の1つとして、サンプル設定を実際の設定へコピーした際に「example.com」の書き換えを忘れるケースがあります。開発者がネットワークの疎通確認やHTTPリクエストの試験先としてexample.comを直接利用する場合もありますが、IANAはexample.com上のHTTPサービスを本番用途や監視用途のために提供しているわけではないと明記しています。HTTPサーバーの提供そのものもexample.com本来の役割には必須ではなく、あくまで利用者への案内として運営しているとのこと。
実際にIANAは2024年9月、example.comなどでPOST・PUT・DELETE・PATCHといったHTTPメソッドへの対応を終了しました。対象となるリクエストには「405 Method Not Allowed」が返されます。IANAは当時も「ソフトウェアがexample.comのHTTPサービスの存在を前提に動作するよう設計しないでほしい」と注意しています。
KioskNews shows a cleaned-up reading view extracted from the publisher’s page — the original always lives on their site, not ours.




