〈NTTの成長エンジン〉NTTデータG社長が明かす「AI時代のグローバル戦略」…米テック企業主導の市場に勝ち筋あるか | ビジネス | 東洋経済オンライン

NTTの成長を牽引するNTTデータグループ。激変するAI時代のIT市場で、GAFAMなどとどう対峙するのか(撮影:尾形文繁)
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2030年度に全社のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)を4兆円まで引き上げる中期経営戦略を打ち出したNTT。目標達成に向けた牽引役となるのが、25年に完全子会社化したNTTデータグループ(G)である。国内外で法人向けITビジネスを展開する同社は、25年度に約8100億円だったEBITDAを30年度に1.2兆円へと拡大させる計画を掲げる。
カギを握るのは、急速に進化するAIの事業での活用だ。25年12月には、業界特化型AIサービスのプラットフォーム開発拠点として、米シリコンバレーに新会社「NTT DATA AIVista」を設立した。
激変するAI時代のグローバルIT市場に、NTTはどのように対峙していくのか。6月にNTTデータGトップに就任した中山和彦社長に話を聞いた。(※インタビューは9月下旬にグループ形式で実施)
「人月」から「アセット型」のビジネスへ
――NTTグループは5月に新たな中期経営戦略を公表し、AIVistaをグローバル向けITサービス事業戦略の中心に位置付けています。どのような狙いがあるのでしょうか。
NTTデータGでは、今後5年間でキャッシュベースの利益を5割増やす計画だが、(人を増やして売り上げを伸ばす)従来の「人月ビジネス」のやり方に従って人員を5割増やすのは労働市場の状況から難しい。そもそも、AIの進展で1件当たりの人月ビジネスの規模が縮小する可能性もある。
このため、(自社が保有する資産を顧客に継続利用してもらう)「アセット型」「リカーリング型」の事業を増やしたいと考えており、AIVistaはその中核になる。5年間で売り上げが全部アセット型に入れ替わるわけではないが、AIVistaによって相応の売り上げと仕組みを作りたい。すでに顧客の需要が存在していた保険業界を最初のターゲットに選び、AIのプラットフォームを開発している。先行してどんどん市場を取るのが勝負になり、金融やバンキングに加えて、製造業などにも広げられると思う。
従来のNTTデータGの仕事とは毛色が違うが、プラットフォームビジネスなので、成功事例を横展開して相応の利益を生み出すことができる。それによって、親会社であるNTTの株価向上にも何らかのプラスがあると思う。
AIVistaを率いるブラティン・サハ(編集部注・AWS幹部などを経てAIVistaのCEOに就任)が今後数年間のプランニングを行っており、今のところは計画に対して順調に進んでいる。AIの世界では、さまざまな LLM(大規模言語モデル)やプラットフォームが登場しているが、それをいち早く現場に導入できるかが勝負になる。その点、NTTデータGは国内外に顧客を持ち、業務改善ニーズもすでにある。(サハ氏も)「ラストマイル」の部分を持っている点を魅力に感じ、当社に参画してもらっている。

中山和彦(なかやま・かずひこ)/1964年生まれ。東京大学経済学部卒業。ハーバード大学で経営学修士号(MBA)取得。89年日本電信電話(現NTT)入社。同社財務部門長、NTTデータグループ取締役副社長などを経て、2026年6月より現職(編集部撮影)
――グループ再編を経て、NTTデータGはITサービスからITインフラまで一気通貫でグローバルに提供する体制を整えています。プラットフォームも展開するAI時代において、どのような会社を目指したいと考えていますか。
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ちゃやま りょうRyo Chayama
1990年生まれ、大阪府高槻市出身。京都大学文学部を卒業後、読売新聞東京本社に入社。岐阜支局や経済部に在籍し、 司法や調査報道のほか、民間企業や中央官庁を担当した。 2024年に東洋経済に移り、通信、SIer、データセンター業界を取材。メディア、都市、AIといった領域にも関心がある。趣味は、読書、散歩、旅行。学生時代は、理論社会学や哲学・思想を学んだ。
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