WineがOpenBSDに移植される
Windows互換レイヤーのWineについて、OpenBSD Portsで新たなポート提案が行われました。これはWineがOpenBSDに導入されることになったことを意味し、ひいてはOpenBSDで64ビットWindowsアプリケーションを実行できる可能性を示唆しています。
'emulators/wine' - MARC
https://marc.info/?l=openbsd-ports&m=179236125692175
近年、Windowsソフトウェアの64ビット化の流れを受けOpenBSDのコミュニティにおいてもWineへの関心が急速に高まっていましたが、OpenBSDの環境で特定の命令(%gsプレフィックス)を扱う際に生じる技術的な課題「%gs/gsbase問題」が立ちはだかりました。gsbaseとはx86アーキテクチャにおいてセグメントレジスタ%gsが指すベースアドレスを指定するためのメカニズム、またはそのアドレス自体を指します。OpenBSDで%gsセグメントのベースアドレスを直接設定することができない問題、あるいはそれに伴う技術的な諸問題が%gs/gsbase問題です。
%gs/gsbase問題はWineをOpenBSDに移植するのに大きな障害となっていましたが、「gsbaseを設定できないため%gsプレフィックスをエミュレートする」コマンドを用いて%gsプレフィックスの振る舞いをエミュレートすることにより解決に至りました。
%gs/gsbase問題の解決に伴い数十種類の64ビットWindowsソフトウェアがテストされ、多くが動作に成功しました。例えば「The Witcher 3」のリマスター版も「vkd3d-proton」を導入すれば問題なく動作することが確認されています。
記事作成時点で挙げられている最大の制限事項は「WoW64(Windows 32-bit on Windows 64-bit)」が動作しないため、32ビットのWindowsソフトウェアを実行できないことです。なおWindows実行ファイルが32ビットか64ビットかはfileコマンドで簡単に識別でき、以下のような出力の場合は32ビット実行ファイルです。
MS-DOS executable PE for MS Windows (GUI) Intel 80386 32-bit
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