[ITmedia News] AWS、AIエージェントを自作できるツール「Strandsハーネス」をオープンソースで公開 特定のLLMに依存せず入れ替え可能
著者
新野淳一
[ITmedia]
米Amazon Web Services(AWS)は、GPTやClaude、Gemini、Ollamaなど主要なLLMやLLMランタイムを基にした高性能なAIエージェントを簡単に自作できるツール「Strandsハーネス」をオープンソースで公開しました。
AIエージェントはLLMとハーネスによって出来ている
人間の指示によって自律的に作業を続けるAIエージェントは、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)や生成AIを基盤に、「ハーネス」(Harness)と呼ばれる周辺環境を組み合わせてできています。
ハーネスは、指示された目標や環境設定などのコンテキストを長期的に記憶する仕組みや、AIエージェントが作業するために必要なファイルやネットワーク、実行環境などへのアクセス、データベースやAPIなど外部環境やツールへのアクセス、ポリシーや権限から逸脱して動作しないようにするガードレールなどで構成されます。
このハーネスは、例えばAIエージェントが効率的に目標に向かって作業できているかどうか、その際に無駄なトークンを消費していないかどうか、ガードレールが適切に介入できているかどうか、などを大きく左右する要素でもあります。
さまざまなLLMを基にAIエージェントを構築可能
今回AWSが公開したStrandsハーネスは、さまざまなLLMと組み合わせて簡単にAIエージェントを構築できるハーネスです。AWSが今年(2026年)8月に公開した「Strands Harness SDK」が用いられています。
Strandsハーネスは、AWSの生成AI基盤であるAmazon Bedrock上で動作するLLMはもちろん、Anthropic Claude、OpenAI GPT、Google Gemini、Ollama、Lite LLMに対応。
わずか数行のコードでAIエージェントを構築でき、構築されたAIエージェントには最初からシェルの実行、ファイルの読み書き、Web検索などの機能が備わっています。
プロンプトキャッシングとコンテキスト管理が備わっており、例えばデフォルトでは約1500トークンを超えるツールの結果の切り捨て、コンテキストウィンドウが85%を超えるとコンテキストの要約による圧縮が起動し、コンテキストのオーバーフローが発生した場合はループ内でコンテキストの復元が行われる、などの処理が行われます。
また、セッションごとの記憶を保持し、セッションIDを与えることで以前の会話を再開可能。スキルにも対応します。
低コストで高い能力を提供
AWSはStrandsハーネスによるAIエージェントのベンチマークを公開しています。
それによると同じFable 5をベースにしたClaude CodeとStrandsハーネスによるAIエージェントを比較すると、Claude Codeよりも低コストで高い能力を備えたAIエージェントを実現できているとしています(下記の画像では上から2番目。スコアは69.7でトップ、コストは56.29ドルで2位。Claude Codeは一番下)。
あとからLLMを変更可能、デプロイ先も自由に選択
Strandsハーネスで構築されたAIエージェントは、あとからAIエージェントのLLMを入れ替えることも可能です。そしてAWSだけでなくLinuxコンテナを備えたあらゆる環境にデプロイできます。
すなわちStrandsハーネスではLLMにもデプロイ先にも依存せず、オープンソースであるためにあとから自身で機能追加やカスタマイズなどが自由に行えるAIエージェントが構築可能です。
わずか数行で簡単にAIエージェントを構築可能
下記は、Claude Opus 5をStrandsハーネスでAIエージェント化するためのコードです。
import { createHarness } from "@strands-agents/harness";
const agent = await createHarness({ model: "anthropic/claude-opus-5" });
await agent("Research the top three vector databases, compare pricing
and limits, and write it up in comparison.md");
この3行目の「anthropic/claude-opus-5」を書き換えるだけで別のLLMをAIエージェント化できます。例えば、Google Geminiであれば「google/gemini-3.5-flash」、Ollamaであれば「ollama/llama3.1」となります。
コマンドラインからAIエージェントの構築も可能
Strandsハーネスはコマンドラインから構成可能なStrands CLIも用意されています。下記はデモ動画からのキャプチャです。
Strands CLIを起動後、「Quickstart」を選択。続いて画面上でLLMを選択します。ここではAmazon Bedrock上のClaude Opus 4.8を設定。
AIエージェントが利用するツールを選択します。シェルの実行、ファイルの参照や編集、Webへのアクセスなどが選択可能です。
プラグインと機能を選択。
外見も設定できます。
AIエージェントが構成できました。このままAIエージェントに「Playwright MCPサーバを追加したら、このブログの動画のレイテンシをチェックして」(Add the playwright mcp server then check for video latency for this blog: http://...)と指示を出します。
AIエージェントが自律的に作業を開始。PlaywrightでWebブラウザを操作するなどしています。
計測した後に、問題ないとする判断結果を出力します。
構築したAIエージェントは、そのままTypeScriptもしくはPythonのコードとしてエクスポートし、ファイルに保存できます。
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