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Wednesday, October 14, 2026

[ITmedia エンタープライズ] 中堅・中小でもIT支出は増加優勢 1300社調査で浮かび上がった、「データ主権」「ソブリンAI」への意識

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ノークリサーチの中堅・中小企業1300社を対象とした調査で、今後のIT支出増の要因として浮かび上がったのが「データ主権」や「ソブリンAI」だ。中堅・中小企業がなぜ、これらを意識し出したのか。

» 2026年10月14日 09時30分 公開

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 ノークリサーチはこのほど、中堅・中小企業における経常利益とIT支出増減の見通し、その背景や要因に関する調査結果を発表した。

経常利益は増減拮抗、IT支出は増加が減少を上回る

 今回の調査は2026年7~8月に国内全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業1300社を対象に実施された。調査結果によると、経常利益は「減少」「ほとんど変化なし」「増加」がいずれも30%強の値でほぼ均等に分かれた一方、IT支出は「ほとんど変化なし」が半数弱に達し、「増加」が「減少」を上回った。

中堅・中小企業における経常利益(左側)とIT支出(右側)の増減見通し(比較対象期間は2025年1~12月と2026年1~12月)(出典:ノークリサーチのプレスリリース)

 IT支出を増やす要因、減らす要因はそれぞれ何か。ノークリサーチは社会環境、自社の経営方針、IT環境の整備、人材、法改正の5カテゴリーの選択肢を挙げて尋ねている。このうち同社が今後の増加要因として注目するのが、経営方針に関連する項目の中にある「データ主権やソブリンAIに沿ったIT活用の考え方」だ。

データ主権やソブリンAIへの意識、中堅・中小企業ではどこまで広がっている?

 ノークリサーチの調査が挙げた5カテゴリーは、国際情勢などに伴うエネルギーや原材料の価格変動といった「社会環境やビジネス環境に関連する項目」、非効率な業務を改善するデジタル化(DX)の推進など「自社の経営や方針に関連する項目」、老朽化したIT資産(オフコンなど)の刷新や維持など「IT環境の整備や管理・運用に関連する項目」、現場人材の不足など「人材に関連する項目」、2027年4月施行予定の飲食料品の消費税減税や、2027年以降に施行予定の労働基準法改正といった「法改正に関連する項目」だ。

 同社によると、例えば、円安に起因するクラウドサービスなどの利用料変動は、オンプレミス回帰などの代替手段によってITコスト削減を図るユーザー企業が多くなれば、IT支出を削減する要素として働く。一方、利用量の増額を許容するユーザー企業が多ければIT支出の増加をもたらす。

DXが支出増加の大きな推進力に

 下図は、IT支出増減の背景や要因のうち、自社の経営や方針に関連する項目である「非効率な業務を改善するデジタル化(DX)の推進」と「データ主権やソブリンAIに沿ったIT活用の考え方」の回答割合だ。全体平均、IT支出が減少する場合、増加する場合の3つのケースでそれぞれ比較している。

IT支出増減の背景・要因のうち「非効率な業務を改善するデジタル化(DX)の推進」と「データ主権やソブリンAIに沿ったIT活用の考え方」の集計結果(出典:ノークリサーチのプレスリリース)

 「非効率な業務を改善するデジタル化(DX)の推進」は、IT支出が増加する場合の回答割合が3割超に達した。ノークリサーチは、DXが引き続きIT支出増加の大きな推進力になっているとみる。

DX要因のIT支出増加、建設業で顕著

 ただし、この傾向は業種によって異なるという。下図は、同項目の結果を建設業と一般サービス業に細分化したものだ。建設業では、同項目をIT支出減少の要因として挙げる割合はゼロであり、増加要因とする割合は5割弱に達している(回答数は、IT支出が減少する建設業が10社、増加する建設業が33社)。

 一方、一般サービス業では、IT支出の増加要因として挙げる割合は3割超だが、減少要因として挙げる割合は2割弱と全体平均と比べて高い。ITコスト削減もDXの一環と捉えている可能性があると同社はみている。

IT支出増減の要因に「非効率な業務を改善するデジタル化(DX)の推進」を挙げた建設業と一般サービス業の集計結果(出典:ノークリサーチのプレスリリース)

ソブリンAIはオンプレミス回帰を呼ぶか

 一方、IT支出増減の背景や要因のうち「データ主権やソブリンAIに沿ったIT活用の考え方」については、値そのものはまだ低いものの、IT支出が減少する場合と比べて、増加する場合の回答割合が相対的に高くなっている。ノークリサーチの分析によると、今後AI活用が進めば、企業はデータ主権やソブリンAIを重視するようになる。その結果、オンプレミス環境でAI基盤を構築するローカルAIも選択肢の一つとなり、IT支出を増やす要因になるという。今回の調査結果は、そうした展開を示唆したものと捉えられると同社は分析している。

 また、同社によると、円安に伴って発生したオンプレミス回帰はIT支出の増加を嫌った消極的な動きだったが、ローカルAIに起因するオンプレミス回帰は前向きな変化と捉えることもできるという。下図の年商別に集計した結果が示すように、この動きは年商規模の大きな企業層から始まっていくと同社は予想している。

IT支出増減の要因に「データ主権やソブリンAIに沿ったIT活用の考え方」を挙げた企業の年商別集計結果(出典:ノークリサーチのプレスリリース)

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