[ITmedia News] トレーニング効果をもたらす最少量の運動は? 週に何秒、何回必要か 早大などが2024年に調査
著者
山下(Seamless)
[ITmedia]
ちょっと昔のInnovative Tech:
2019年の開始以来、多様な最新論文を取り上げている連載「Innovative Tech」。ここではその番外編として“ちょっと昔”に発表された世界中の個性的な研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
国立スポーツ科学センターや早稲田大学などに所属する研究者らが学術雑誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」で2024年に発表した論文「Physiological and Metabolic Responses to Low-Volume Sprint Interval Exercises: Influence of Sprint Duration and Repetitions」は、トレーニング効果をもたらす最少量の運動を探求した研究報告だ。
健康維持のために運動が重要だが、週150分以上の有酸素運動などを忙しい日常生活の中で実践するのは容易ではない。こうした背景から、研究チームはトレーニング効果をもたらす最少量の運動を調査した。
実験では、運動負荷を測るエアロバイクを使用し、合計の運動時間を40秒にそろえた2つのパターンを比較した。10秒の全力こぎを休憩80秒を挟んで4回行う場合と、20秒の全力こぎを休憩160秒を挟んで2回行う場合である。
検証した結果、全力を出す時間が10秒以上であれば、2本目以降は全身や筋肉が取り込む酸素の量(酸素消費量)が頭打ちになることが判明した。さらに、同じ40秒の運動なら20秒を2回行う方が、太ももの筋肉の酸素消費量をより効果的に高められることが分かった。筋活動はどちらの方法でも同程度に高まった。
この結果は、持久力を高める有酸素代謝や太ももの筋活動を促すには、20秒の全力運動を2本行うだけで十分である可能性を示している。先行研究では、この合計40秒の運動が、30分以上を要する中程度の強度の有酸素運動と同等かそれ以上に最大酸素摂取量を向上させることが報告されている。
20秒の全力運動2本(左)と、30分以上の中程度の強度の有酸素運動(右)
週に1~2回この短時間トレーニングを取り入れるだけで、心肺機能を高めつつ、加齢によって衰えやすい太ももの筋肉量や筋力を維持・改善できる期待が持てる。
Source: YAMAGISHI, T., IWATA, S., OTSUKA, S., ICHINOSE, H., & KAWAKAMI, Y. (2024). Physiological and Metabolic Responses to Low-Volume Sprint Interval Exercises: Influence of Sprint Duration and Repetitions. Medicine & Science in Sports & Exercise, 56(7), 1265–1274. https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000003420
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Innovative Tech
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。
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