アメリカ各地でAIデータセンター建設に反対する住民投票が相次ぎ可決、47件中46件で規制強化を支持

例えばフロリダ州エッジウォーターでは、新しいデータセンターの承認や建設、既存施設の拡張などを禁止する市憲章の改正案が約77%の賛成で可決されました。カンザス州エンポリアでも大規模な電力消費などを伴う「高影響データセンター」の建設禁止案が約60%の賛成を獲得しています。
オハイオ州サンベリーでは、最大電力需要が25MWを超えるデータセンターの建設を禁止する案が約79%の賛成で可決されました。また同じくオハイオ州のペリーでは、大規模データセンターの開発事業者が特別な税制優遇を受ける際に財務上の保証を求める案が約87%の賛成を得ています。
規制強化の動きはデータセンターの全面禁止に限りません。メイン州の複数の自治体では、新たな建設計画を審査するために180日間または6カ月間の建設・許認可停止措置が支持されました。イリノイ州では大規模データセンターの建設停止を自治体に求める勧告的な住民投票も行われています。例外となったのはノースダコタ州ハーウッドで、同市ではデータセンターを含む特定の産業開発に追加審査を義務付ける案が否決され、規制強化に反対する結果となりました。
データセンターをめぐる対立は、州知事選挙などにも影響を及ぼしています。テキサス州では、データセンターの誘致を進めてきた共和党のグレッグ・アボット知事が、民主党のジーナ・イノホサ氏に敗れました。アボット氏は2025年にGoogleのスンダー・ピチャイCEOとともに記者会見を開き、テキサス州をAI開発の中心地として発展させる方針を打ち出していました。しかし、データセンターに対する住民の反発が強まると、新規プロジェクトの一時停止に言及するなど方針を転換しています。

これに対してイノホサ氏は、アボット氏によるデータセンター誘致政策を選挙戦の争点の1つとし、開発に対する規制強化や住民の意見を反映する仕組みを訴えました。オハイオ州やジョージア州でも、データセンターの建設停止や規制強化を掲げた候補者が州知事選挙で勝利しています。
地方選挙でも同様の動きが見られました。ケンタッキー州バーギンでは、大規模データセンターの建設計画を承認した市長候補が、投票用紙に名前を記入する方式で立候補した反対派候補に敗北しました。オクラホマ州ユーコンでも、大規模データセンター計画を支持した市長がリコール投票で失職しています。
The City of Yukon's mayor has lost his seat after residents forced a recall election. https://t.co/FKuRMId7BA https://t.co/LvOX7CxaGy
— KOKH FOX 25 (@OKCFOX) November 4, 2026
地方自治体の議員らで構成される団体「Local Progress」の広報担当副責任者であるマイケル・ホワイトサイズ氏は404 Mediaの取材に対し、住民はデータセンターやそれを支えるAIから約束された恩恵を日常生活で実感できていないと指摘しました。生活必需品やサービスの価格が上昇する中、巨大な施設が地域の土地を占有し、環境や公共料金に負担を与えていると批判しています。
ただ、データセンターへの反対が必ずしも施設そのものの全面禁止を意味するわけではありません。Semaforが10月に報じた世論調査では、回答者の58%が自分の州でのデータセンター建設に反対していたものの、企業が電力供給に伴う費用を負担し、住民の電気料金上昇を防ぎ、周辺環境を保護すると約束した場合には54%が建設を支持すると回答しました。調査はデータセンターの開発推進を掲げる業界団体の依頼で実施されています。

データセンターをめぐっては、建設による雇用創出や地域への投資、税収増加といった経済的な効果も期待されています。規制強化によってAI関連の投資が他の州や海外に流出する可能性を懸念する声もあり、建設を認める条件や費用負担のあり方が重要な争点となっています。一連の選挙結果について、404 Mediaはデータセンターが大手テクノロジー企業によるAI開発の象徴となり、地域住民からの反発を招いていると報じました。AIの普及を支えるインフラの建設が進む中、電力や水などの資源を大量に消費する施設を地域社会がどこまで受け入れるのかという問題が、アメリカ各地で政治的な争点となっています。
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