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Tuesday, October 20, 2026

現代の映画は平均して何カット使われているのか?過去100年間の映画8770本におけるカット数をカウントして分析

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映画産業のデータ分析やリサーチなどを行うアナリストのスティーブン・フォローズ氏が、1930年から2025年までに公開された長編映画8770本におけるカット数をカウントし、現代の映画ではどのくらいのカットが使われているのかを分析しました。

How many shots are in the average movie today?
https://stephenfollows.com/p/how-many-shots-are-in-the-average

フォローズ氏は、「ショット」と「カット」を以下のように定義しています。

ショット:2つの編集の間にある連続したフレーム
カット:ショットとショットのつなぎ目(1000ショットの場合、カット数は999)

アメリカの映画業界でも「ショット」という単語を好んで使う人もいれば、「カット」という単語を好んで使う人もいるそうです。厳密には上記の通り意味は異なるものの、「ショットとカットで呼び方が違っても、説明している内容は同じ」とフォローズ氏は説明しています。

現代の映画では何ショットくらい利用されているのかについて、編集者のヴァシ・ネドマンスキー氏は「一般的な映画は約1250ショットで、大作映画の場合は3000ショットを超えることもある」と説明しています。

フォローズ氏が2017~2025年に公開された映画のショット数を調べた結果が以下。以下のグラフは横軸が映画のショット数、縦軸が映画の本数を示しています。中央値は「1535ショット」、平均は「1603ショット」でした。

調査対象となった映画の上映時間は平均で「111分」なので、エンドクレジットを除くと約4秒ごとに新しいショットに切り替わっているという計算になります。作品間のバラつきは大きく、2017~2025年に公開された映画の10%が「770ショット」未満で、同じく10%が「2460ショット」以上のショットで構成されている模様。

特にショット数が多いのが、インド映画です。過去9年間でショット数が最も多かった上位15作品は、すべてインド映画でした。その筆頭が2018年公開の「K.G.F: CHAPTER 1」で、上映時間153分(2時間33分)に「6222ショット」、つまり1.5秒ごとに別のショットに切り替わります。

インド映画を除外すると、映画のショット数の中央値は「1474ショット」に減少します。アメリカ映画のショット数の中央値は「1515ショット」です。

さらに、フォローズ氏は映画監督によってもショット数に違いが出るのかを分析。フォローズ氏のデータベースに8作品以上の映画が含まれている120人の映画監督のうち、映画の1分当たりのショット数が最も多かったのはジャウム・コレット=セラ監督でした。なお、フォローズ氏による監督毎の1分当たりのショット数トップ10とワースト10をまとめたのが以下。

フォローズ氏は「今日の典型的な映画は、1950年代の典型的な映画と比べて、ショット数がほぼ3倍になっています。しかし、その増加の大部分は1960~2005年頃に起こっており、それ以降の20年間は緩やかな上昇傾向が続いているだけです」と語りました。

以下のグラフは「その年に公開された映画の1分当たりのショット数の中央値」を示したもの。1ショットの平均時間は1950年代には約10秒だったのが、近年は4秒強にまで短くなっています。


以下のグラフは、年代別の「ショット数トップ10」(オレンジ)「全体の中央値」(黒色)「ショット数ワースト10」(グレー)の1分当たりのショット数をまとめたグラフ。ショット数の少ない映画と多い映画の差が徐々に大きくなっています。


さらに、映画のジャンル別でショット数の中央値を出すと以下の通り。最もショット数が多いジャンルは「アクション」(1927ショット)で、最も少ないのは「音楽」(1277ショット)でした。


上映時間の違いを考慮し、1ショットの平均時間を調べた結果が以下のグラフ。1ショットが最も短いジャンルは「アクション」「アドベンチャー」(3.5秒)で、最も長いジャンルは「ドラマ」「戦争」(5.1秒)です。


さらに、制作費についても明らかになっている映画601本を、制作費の規模で分類し、1分当たりのショット数の中央値を出した結果が以下。予算規模が増えれば増えるほど1分当たりのショット数は増えており、制作費500万ドル(約7億9000万円)未満の映画の1分当たりのショット数の中央値は「9.9ショット」であるのに対して、制作費1億ドル(約160億円)超の映画の1分当たりのショット数の中央値は「18ショット」とほぼ2倍でした。


年代別に「全映画」(グレー)「アカデミー賞の作品賞にノミネートした映画」(オレンジ)「アカデミー賞の編集賞にノミネートした映画」(黒)の1分当たりのショット数の中央値を比較したのが以下のグラフ。映画全体と比べると、アカデミー賞編集賞にノミネートした作品のショット数は低く、作品賞ノミネート作品のショット数はさらに低めです。


なお、フォローズ氏は映画のショット数を分析するために、ニューラルネットワークの「TransNetV2」を使用しており、ショット数はエンドクレジットまで含めた映画全体での数だそうです。

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