OpenAIの「野良AIエージェント」がWikipedia関連サイトを勝手に編集、侵入を試み数百万回アクセスしていたとウィキメディア財団が発表
こうした一連の報告を受け、ウィキメディア財団も自らのサービスに同様の活動が存在していなかったか調査しました。
調査の結果、ウィキメディア財団はOpenAIが運用していたとみられるAIエージェントがウィキメディア上で編集を行った形跡を発見したとのこと。ほぼすべてがテスト用の「サンドボックス」と呼ばれる領域への書き込みで、一般の読者が見るWikipediaの記事本文に掲載されたものではありませんでしたが、引用支援ツールの設定を変更して外部サイトからデータを取得するための中継役として悪用しようとした可能性がある編集も数件見つかっています。
Wikipediaではボットによる編集そのものは禁止されておらず、ボットであることを明らかにしてコミュニティーから承認を得れば利用できますが、今回確認されたAIエージェントは必要な承認を受けていませんでした。
AIエージェントはさらに、ウィキメディア財団がコミュニティー向けに提供している共同メモサービス「Etherpad」への侵入も試みていました。目的はEtherpadを経由して別のウェブサイトからデータを取得することだったとみられていますが、ウィキメディア財団によると侵入やデータ取得には成功していません。一部のAIエージェントがEtherpadに作業内容をメモしていた形跡も確認されたものの、エージェント同士の連携に発展した証拠は見つからなかったとのこと。
一方、2026年5月に発生したWikidataのデータを条件指定して検索できるWikidata Query Serviceの部分的な障害にはAIエージェントによる大量アクセスが影響した可能性があるとのこと。ウィキメディア財団はOpenAIのAIエージェントがWikimediaの公開APIに数百万件のリクエストを送ったほか、Wikidata Query Serviceに数十万件の問い合わせを行った記録を発見したとしています。
なお、Wikipediaは以前からAI向けクローラーによる大量アクセスに悩まされています。ウィキメディア財団によると2024年からのボット増加に伴って2025年には帯域幅使用量が50%増加し、サーバーに大きな負荷を与えるトラフィックの65%をボットが占める状況になりました。
「執拗なAIスクレイピングがインフラストラクチャに負担をかけている」とWikimedia財団が発表 - GIGAZINE
ウィキメディア財団はAI企業に対し、AIエージェントの活動を監視して危険な挙動を防ぐ責任があると指摘。少なくともウェブサイト運営者がAIエージェントからのアクセスだと容易に判別でき、どのようにサービスへ接続させるかを選択できる仕組みが必要だとしています。
ウィキメディア財団は「ボットやエージェントはウェブの未来の一部になる」とした上で、AIエージェントによる問題への調査や後始末をウェブサイト側だけに負わせる状況を避ける必要があると説明しており、AIを開発する企業にもオープンなウェブを守る取り組みに加わるよう求めました。
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