「青い大波」「赤い引き潮」 共和大敗の米中間選挙―中林美恵子・早稲田大教授
中林美恵子 早稲田大教授(本人提供)
3日投開票の米中間選挙は、トランプ大統領率いる共和党の歴史的大敗となった。背景と今後の展望について、中林美恵子・早稲田大教授(米国政治)に聞いた。
―何が起きたのか。
野党民主党が躍進した「青い大波」と同時に、共和党支持者が現政権に対する情熱を失った「赤い引き潮」が起きた。背景にあるのは生活苦だ。
共和党支持者はこれまでの選挙で「バイデン(前大統領)ではダメだ、民主党に政権を取らせてはいけない」といった熱意を持っていた。ただ、共和党政権下で対イラン軍事作戦が始まり、エネルギー価格が高騰。共和党支持者であっても経済的苦境が最大の争点となり、同党に票を投じる強い気持ちを喪失してしまった。
共和党は近年、トランプ氏個人の人気に頼ってきた。だが、議員の中には自身の選挙区での風向きの変化を感じ取って、トランプ氏との距離感を見直す動きが出てくる可能性がある。
―民主党はどうなる。
国民は民主党の政策を評価したのではなく、トランプ政権の暴走を制御してくれる可能性に期待した。まずは建設的な物価高対策を打ち出していく必要がある。
民主党内の急進左派の台頭は、トランプ政権が誕生した力学と根本は同じだ。経済格差が構造化する中で、社会に不満を抱く層の受け皿となった。格差に対する激しい怒りを、国民皆保険など「分配」という手段で解決しようとするのが急進左派だ。
今回、急進左派の議席が増えたことで、中道派は彼らの意見を取り入れて妥協を図っていくほかないだろう。
―大統領弾劾は実現?
政権の腐敗も争点の一つだった。民主党が弾劾へ動く可能性はある。まずはイラン攻撃を主導したヘグセス国防長官の罷免を目指すのではないか。ただそうなれば、罷免前にトランプ氏が更迭するだろう。
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