メールアドレスが流出しても迷惑メールを自動拒否、最初の送信元からしか受信できない「Clova.Email」が登場
登録するサービスごとに専用のメールアドレスを作成し、最初にメールを送ってきた相手以外からのメールを自動的に拒否するサービス「Clova.Email」が登場しました。メールアドレスが流出しても第三者からの迷惑メールを受け取らずに済む仕組みで、無料プランでもメールアドレスを無制限に作成できます。
Clova.Email — a new email address for every company
https://clova.email/
ウェブサービスの会員登録やネットショッピングではメールアドレスの入力を求められますが、登録先からメールアドレスが流出すると迷惑メールが届く原因になります。一度流出したメールアドレスは第三者に転売される可能性もあり、迷惑メールの送信元を個別にブロックしても対処しきれない場合があります。
サービスごとに異なるメールアドレスを使用するのに加えて、メールアドレスごとに受信できる送信元を制限する仕組みを追加したのが「Clova.Email」です。
Clova.Emailの特徴は「One-sender」と呼ばれる受信方式。作成したメールアドレスに最初にメールを送ってきた企業のドメインを記録し、以降は同じドメインからのメールだけを受け付けます。
例えば銀行の登録専用にメールアドレスを作成した場合、銀行から最初のメールが届くと受信できる送信元が固定されます。銀行からの案内は引き続き受信できますが、流出したメールアドレスを入手した別の業者がメールを送ろうとしても自動的に拒否されるというわけです。
なお、GmailやOutlookなどの一般向けメールサービスから送られたメールについては、ドメイン全体ではなく個別のメールアカウントを受信許可の対象にするとのこと。
また、短期間しか利用しないサービスのためにメールアドレスを作成する「Temporary」機能も用意されています。1時間や1カ月などの有効期間を設定でき、期限が切れると新しいメールを拒否します。受信済みのメールを自動削除する設定も可能です。
さらに「Prefix」機能を使うと、あらかじめ登録した5文字以上の文字列に好きな文字列を付け加えるだけで新しいメールアドレスを利用できます。例えば「service」という文字列を登録しておけば、サービスへの登録時に「service-shopping」や「service-bank」といったメールアドレスをその場で指定可能。事前にアドレスを一つずつ作成する手間を省けるほか、それぞれのアドレスに最初の送信元だけを受け付ける制限が適用されます。
Clova.Emailには無料プランと有料プランがあり、無料プランでもOne-senderやTemporaryを使った受信箱を無制限に作成できますが、送信元を制限せずに恒久的に利用できるメールアドレスは1件に制限されています。また、保存容量は100MBで、メールの転送先として登録できるアドレスは1件まで、1日に処理できるメールは100通という制限もあります。
月額3ドル(約473円)のProプランでは保存容量や転送先の登録数が増えるほか、月額5ドル(約790円)のBusinessプランでは独自ドメインの使用も可能とのこと。
また、AIアシスタントと外部サービスを連携させるための規格「MCP」に対応しており、AIにメールアドレスの作成や認証コードの確認などを任せることもできるとのことです。
一方、Clova.Emailがエンジニアが集うニュース共有サイトのHacker Newsで紹介されると、受信元を自動的に固定する仕組みに懸念の声も寄せられました。
特に指摘されたのは、同じ企業が複数のドメインを使ってメールを送信する場合です。例えば銀行が取引通知とお知らせメールで別々のドメインを使用していると、一方のメールが拒否されて重要な通知を見逃す可能性があります。また、企業が社名変更などでドメインを切り替えた場合も、以前のメールアドレスでは新しいドメインからのメールを受信できません。
Clova.Emailの開発者は、同じドメインに属する複数のメールアドレスからの受信には対応していると説明する一方、異なるドメインから送られるメールには対応できていないことを認め、受信元の制限を解除する機能や複数のドメインを登録できる機能などを検討していると述べています。
また、最初にメールを送った相手が受信元として登録される仕組みについて、悪意のある第三者が正規の企業より先にメールを送った場合の問題も指摘されています。開発者はHacker Newsで利用者からの意見を募集しており、受信できるドメインを事前に指定する機能なども今後の改善案として挙げています。
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