[ITmedia News] eスポーツもカロリーを消費する? 運動と比較した値は……チェコの研究者などが調査
著者
山下(Seamless)
[ITmedia]
Innovative Tech:
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
チェコのマサリク大学などに所属する研究者らが学術誌「Sports Medicine – Open」で発表した論文「Energy Expenditure of Esports Athletes During Gameplay: A Systematic Review」は、eスポーツ選手がゲームプレイ中に消費するエネルギー量や生理学的な反応を調査した研究報告だ。
eスポーツのイラスト(絵:おね)
近年、競技型ビデオゲームであるeスポーツが世界的な盛り上がりを見せ、オリンピック競技としての採用も現実味を帯びる中、これを伝統的なスポーツと同様に扱うべきかという議論が続いている。
eスポーツは身体の大部分を動かさない座りがちな活動である一方、高い認知能力と手元の精密な動きを要求される。選手たちはプレイ中にどの程度のエネルギーを消費しているのだろうか。
研究チームは、過去の文献から厳選された5つの研究を分析した。これらの研究では、アマチュアおよびプロのeスポーツ選手を対象に、「League of Legends」「Dota 2」「Counter-Strike:Global Offensive」「Overwatch」「Paladins Champions」「FIFA」シリーズなどのゲームをプレイさせている。
その間の呼気ガス分析によるエネルギー消費量や、心拍数モニター、血液検査を用いた生理学的な変化を測定。座位安静やゲーム中と同程度の心拍数になる自転車運動との比較を行っている。
結果、多くの研究でゲーム中のプレイヤーの体には強いストレス反応が起きていることが分かった。安静時には1分間に85回程度だった心拍数が、ゲーム開始からわずか10分で137回まで急上昇したというデータもある。これは、モータースポーツの運転中や、難しい試験を受けている時のような、緊張状態に似ている。
しかし、このように心拍数が激しく上昇しているにもかかわらず、実際のエネルギー消費量はそれほど多くないことがわかった。1分間あたりの消費カロリーは1.3~2.5kcal程度であり、安静にしている時と比べてわずかに増える(最大でも約40%増)程度にとどまっている。
つまり、心拍数が上がるのは体を激しく動かしたからではなく、プレッシャーや極度の集中による精神的なストレスが原因だと言える。全体的な運動量として見れば、eスポーツは座ったままの軽い活動(軽い身体活動あるいは座位行動に相当)と同程度である。
Source and Image Credits: Kotas, J., Krejzová, E., Gimunová, M. et al. Energy Expenditure of Esports Athletes During Gameplay: A Systematic Review. Sports Med – Open 12, 91 (2026). https://doi.org/10.1186/s40798-026-01055-4
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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。
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