[ITmedia News] Anthropic、IPO申請書を修正 7?9月売上高は約170億ドル、インフラ契約額は約8954億ドル
米Anthropicは11月2日(現地時間)、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)に向けた登録届出書の修正版(Form S-1/A)を提出した。10月26日に提出した初回の申請書に、2026年第3四半期(7~9月期)の業績や、AIの計算資源・インフラに関する将来の支出約束額などを追加した。
新たに開示された7~9月期の売上高は169億5600万ドル(約2.7兆円)で、前年同期の約12.3倍、前四半期比では約47%増となった。一方、営業損益は5億6700万ドルの赤字で、前四半期の9億7400万ドルの黒字から赤字に転じた。
2023年3月の商用サービス開始から2026年第3四半期までの売上高の推移(画像:Anthropic)
2026年1~9月の累計売上高は332億4200万ドルとなり、前年同期の25億4500万ドルから約13倍に拡大した。営業損失は前年同期の52億2400万ドルから12億6000万ドルに縮小した。
ただし、1~9月の純損失は前年同期の251億700万ドルから1040億3900万ドルに膨らんだ。主な要因は、企業価値の上昇に伴い、転換可能な借入証書やデリバティブ負債、将来株式取得契約(SAFE)などの公正価値の変動によって、約943億ドルの会計上の損失を計上したためだ。
Anthropicの連結損益計算書(画像:Anthropic)
今回の修正版では、AIの計算資源やインフラに関する購入契約、リース契約などの将来の支出約束額も明らかになった。その総額は約8954億ドルに上り、うち約4475億ドルが2030年末まで、残りのほぼ全額が2031~2045年に発生する見込みだ。2026年9月末から12カ月以内の支払予定額は約698億ドルとなっている。
ただし、総額には契約開始前の条件によって解約可能なものなど、約2138億ドル分が含まれる。このため、8954億ドルの全額が無条件に確定した支払債務ではない。
Anthropicは、これまでクラウド事業者との契約を中心に計算資源を確保してきたが、半導体チップを直接リースし、専用施設で運用する「Anthropic Direct」と呼ぶ方式も拡大している。こうしたインフラ投資には、事業収入や資金調達で対応する方針だ。9月末時点の現金・現金同等物と短期投資の合計残高は1318億4500万ドルだった。
同社の「責任ある拡大方針」(RSP)に基づくAIの能力評価についても記述を更新した。内部推定や将来のモデルに関する予測から、AIによる研究開発の「劇的な加速」と定義する基準に近く達する可能性があるとしている。ただし、現在のモデルはいずれもこの基準を超えたとは判定しておらず、引き続き評価を進めているという。
なお、IPOで売り出す株式数や公開価格帯は今回の修正版でもまだ明らかにされていない。AnthropicはNasdaq Global Select Marketに「ANT」のティッカーシンボルで上場する計画だ。
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