「経営層が審査遅延を叱責」 担当者不適切行為の要因に―浜岡原発不正で報告書・中部電
浜岡原発の地震想定に関するデータ不正問題で、記者会見する中部電力の林欣吾社長(右端)ら=14日、名古屋市
中部電力浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正問題で、同社は14日、外部弁護士で構成された調査委員会の報告書を公表した。想定する地震の揺れ(基準地震動)を過小評価した疑いがあるが、報告書は「経営層が浜岡原発審査のスケジュール遅延を批判、叱責した」とした上で、批判や叱責が原子力土建部の担当者らを不適切な行為へ駆り立てる要因たり得ると認定した。
調査委は、当時社長だった勝野哲会長が2019年にあった内部通報に関し、適切に対応しない方針の報告を受けたと認定。積極的な了承は認められないが「より慎重な判断を行うことが望ましかった」とした。同社は14日、浜岡原発3、4号機の再稼働審査の申請取り下げや林欣吾社長と勝野会長の退任を発表。林社長は記者会見で「強い不信を招いたことに改めて深くおわびする」と謝罪した。
報告書によると、当時社長の勝野氏ら経営層の一部は17年以降、「(土木担当者が説明してきた見通しと)まるっきり違うではないか」「当社の努力が足りないだけだ」などと、審査スケジュールの遅滞を批判、叱責した。
調査委は「担当者らが叱責を避けるために、原子力規制委員会から指摘を受ける可能性のある事項は開示しない方針を採る要因になったことは否めない」との見解を示した。一方、経営層による不正の指示は認定しなかった。
原因として、中部電社内の一部には重要性の高い目的の支障となる指摘を排除する傾向が見られたとし、「自分たちは正しいことをしている」という考え方の下に不適切行為を実行したなどと分析。こうした考え方を「独自の正当化理論」と定義し、「深い問題がある」と批判した上で、考え方の是正を再発防止策の中心に据えるよう求めた。
中部電は浜岡3、4号機再稼働の前提となる規制委の審査で、基準地震動策定に関して都合の良いデータを選びながら、妥当な手法で行ったかのように装っていた。規制委事務局の原子力規制庁が外部通報をきっかけに問題を把握し、同社と面談を開始した昨年5月以降、都合良く選んだデータを上書きするなど不正の隠蔽(いんぺい)を図ったことも判明した。
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